トランプ大統領への疑惑でNYダウが一時急落するなど、5月も大きく揺れ動いた外国株。そろそろ年後半の相場の行方も気になるところだ。今月も外国株投資にまつわるホットな話題を盛りだくさんにお届けします!

「ロシアゲート」疑惑でNYダウが急落。インド株は好調

5月の外国株相場は、米国株やブラジル株が内政問題の影響で一時大きく下げる一方、企業業績が好調なシンガポール株や、経済改革への期待が高まるインド株が上伸するなど、まちまちの展開となった。

米国のNYダウは5月6日に2万1000ドルの大台を回復したものの、同月中旬、トランプ大統領が昨年の米国大統領選挙でロシア政府と共謀し、クリントン陣営の選挙活動に干渉したとされる、いわゆる「ロシアゲート」疑惑が発覚。これが嫌気されてNYダウは 17 日に前日比372ドル安と大幅下落した。

その後、トランプ氏がG7(先進7カ国首脳会議)出席などのために初外遊し、相次いで発表された米国の経済指標が軒並み堅調だったことからNYダウは値を戻したが、トランプ氏が帰国した 27 日以降、疑惑再燃への懸念から再び値を下げるなど、予断を許さない状況が続いている。

一方、ブラジルでは5月17 日、テメル大統領が同国過去最大の汚職事件に関与していたとの疑惑が浮上。これを受けて翌 18 日のボベスパ指数は一時 10 %以上も急落した。

もっとも、その後は安値拾いの買いが進み、テメル氏が政権の構造改革を推し進める意思を鮮明にしたことなどから、ブラジル株相場は少しずつ戻している。

インド株は、主要株価インデックスのSENSEX指数が5月の1カ月間で4・1%上昇。モディ政権による経済改革への期待が相場を押し上げ、29 日には過去最高値を更新した。金融株を中心に企業業績が好調だったシンガポールのストレーツ・タイムズ指数も5月中旬に1年9カ月ぶりの高値を記録している。

中国株は金融規制強化への懸念などから、主要インデックスである上海総合指数が前月比1・2%安。香港のハンセン指数は本土からの資金流入などで4・2%上昇した。