『アカギ』が並ぶギャラリー

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東京 中野にあるギャラリー「pixiv Zingaro」では、イラストをはじめとするさまざまな企画展が開催されています。ゴールデンウイーク中に開催されたのは、連載25年を迎えた福本伸行の人気漫画『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』展。5月3日には赤十字協力の元、献血イベントが開催されました。



『アカギ』で描かれているのは主人公アカギの麻雀対決ですが、最大のライバル鷲巣との対決は特殊。麻雀の結果、敗者は血液が抜かれる(!!)というまさに生死を賭けた勝負。実際、失血死という最期を迎える者も……。

というわけで「血」というキーワードは、『アカギ』とは縁が深いもの。ネット上でも「献血で応援するってどういうことだ?」「ざわ…ざわ…」と話題だったイベント。その正体を探ってきました!

ギャラリーには『アカギ』がいっぱい!





他にも、会場には『アカギ』にまつわる様々なものを展示。例えば、アカギスペシャルクイズへは自由に参加でき、80点以上で商品が貰えます。四択クイズだから楽勝!……と思いきや、結果30点という散々な結果。

「アカギ vs 市川戦」でアカギが切った牌など、ストーリーは覚えていても、具体的な牌までは……。



pixiv濱吉さんによると、社内の『アカギ』ファンのスタッフが作ったクイズだそう。なるほど、だからいいところを突いてくるんですね。正答率は低く、80点以上の正解者が1週間で30人しかいないというのも納得です。

プレイはできませんが、会場中央には先月登場したばかりのパチスロも鎮座。上部の鷲巣の表情に思わず笑ってしまいます。



会場奥ではグッズも多数販売。一番人気は、オリジナルの名言ポストカードセット(税込1,200円)だそう。



色紙は、後日開催の福本先生サイン会に参加するかた用の商品で、早々に売り切れたとのこと。無念……!



いざ、はじめての献血のはずが…




ギャラリー入口で配布の整理券を受け取ると、献血へ向かうことができます。同じ中野ブロードウェイ内には今回のために、受付、採血、休憩などさまざまなスペースが確保されていました。



まずは受付ですが、ここで一つ事実が発覚。筆者は「はじめての献血」と思っていましたが、20年以上も前にやったことがあると判明。そういえばハンコを溜めた献血手帳を洗濯機に入れて破損したっけ、と思い出しました。静脈認証など、ITを駆使した受付で献血カードを新発行。20年以上昔のデータもしっかり管理されていました!




ここで赤十字のかたにも色々お話を伺ってみました。今回の『アカギ』とのコラボ、普段の献血と比べていかがでしょうか?

「他の企業や学校などを回る献血と比べて、年齢層や性別など、普段とは違ったかたが多いという印象があります」

ちなみにここでも女性の割合が多かったとか。どうやら血に関して男性は尻ごみをしてしまうようです(がんばれ!)。

「今回初めて献血をするというかたが、半分以上もいらっしゃいました。献血と聞くと若干何か抵抗感を感じてしまう人もいるでしょうが、そんな心のハードルを少しでも下げていただくことができたなら嬉しいです」

なんと素敵なお言葉。では、喜んで献血させていただきます!と、思っていたのですが……

「申し訳ありません」

え?

問診では血圧測定の他、体重、薬の服用、海外渡航、性的接触、予防接種歴など答えていく(ただしプライバシーは厳重に保護)のですが、そこに「献血をご遠慮いただく内容」があったとのこと。



ちなみに、通常の献血でも1〜2割の方は何らかの項目でNGとなってしまうそうです。逆に言うと、遊び心は満載のイベントではあるものの、献血という医療に関わる面では(当然のことですが)真剣にご対応していらっしゃるということが大変よくわかりました。




献血対決、勝つのはどっちだ!のはずが…





献血を終えると、休憩スペースが設けられており、飲食を摂るなど十分に休むことができます。そして、その移動前に一仕事。まず、記念品がいただけます。




そして赤いシール4枚。今回の献血は400mLでしたので、100mLをシール1枚と見立てて、応援したいキャラに貼ってくださいとのことです。おお、好きなように配分ができるのですね! これはナイスアイデア!



アカギか、鷲巣か、どっちに血を分け与えて救おうか? 既に多くのシールが貼られている対決の場へ向かうと、なぜかそこにはニセアカギ(※)が! なぜ?

※アカギのフリをしていたニセアカギこと平山幸雄は、鷲巣麻雀に敗れて失血死



pixiv濱吉さん「元々は、アカギvs鷲巣の予定でしたが、出版社のかたから『その他』もあると面白いとの助言をいただいて。作品中で出血して亡くなった彼を急遽加えてみました」

なるほど。確かに2人だけだと200mLずつ公平にできますが、3人で400mLというのは必ず差がでますね。なんという策略……!!

せっかくなので、献血を終えたかたにインタビューしてみました。誰に血をプレゼントしますか?

「迷ったんですけど、アカギと鷲巣に200mLずつ貼りました。アカギは死なせたくないし、鷲巣様も応援する気持ちもあり。やっぱりこの2人のことが気になりまして」

物語の主役ですからねえ。そしてこちらのお嬢さんは『アカギ』好きで、今回このイベントをきっかけに初めて献血をされたとのこと。ありがとうございます!

また公平に3人に100mLずつ与え、最後の100mLで悩んでいるかたも。
「幸雄(ニセアカギ)にしました。鷲巣様を置き去りにしての、ネタ枠にしてもいいかなあって」



インタビューをした方々は、みなさん『アカギ』が好きで、とても楽しそうに答えていただいた姿が印象的でした。

そして、イベント終了。
さて、より多くの血が捧げられ、見事この対決に勝利したのは(ざわ…ざわ…)







まさかの、ニセアカギの勝利……。
想定外…!!!

せっかくだからユニークなイベントにしようと計画が進み、赤十字とのコラボが実現し、ファンを大掛かりに巻き込んだ今回の『アカギ』展。

幾度と予想が裏切られる、ある意味とても『アカギ』らしいドラマチックなイベントでありました。



(高柳優/イベニア)