広大な国土を持つ中国からすれば、日本はまさに「小さな国」と映るのだろう。しかし、日本は国土の狭さを「空間の有効利用」でカバーしているとも言えるだろう。「大きければ良い」、「広ければ良い」、「見た目が豪華なら良い」という中国の家屋と違い、日本の家屋に無駄なスペースがほとんどないのはその良い例だ。(イメージ写真提供:123RF)

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 広大な国土を持つ中国からすれば、日本はまさに「小さな国」と映るのだろう。しかし、日本は国土の狭さを「空間の有効利用」でカバーしているとも言えるだろう。「大きければ良い」、「広ければ良い」、「見た目が豪華なら良い」という中国の家屋と違い、日本の家屋に無駄なスペースがほとんどないのはその良い例だ。

 「空間の有効利用」は日本の都市計画にも良く表れている。中国メディアの今日頭条はこのほど、日本の「高架下の有効利用」を紹介する記事を掲載し、空間の新たな可能性として紹介した。

 記事が今回取り上げているのは、東京・中目黒の高架下だ。日本ではこれまでにも高架下は倉庫や駐車場、飲食店などに利用されてきたが、2016年11月にオープンしたこの高架下は、おしゃれで個性的な28の店舗が空間をシェアするという新感覚の商店街だ。

 この高架下の特徴は、中年男性好みの飲食店が連なるといった高架下のイメージとは違い、若者好みの個性的な店が選ばれていることだと紹介し、ホテルのレストランなど高級な店の多い大都市で、「適正価格」の小さなレストランは居心地の良さを与えてくれると指摘。アーティストによる作品が置かれた個性的な内装のレストランや、「世界で最も美しい書店」に選ばれたこともある「斬新なブランド」の蔦屋書店も人気で、ここは今後「カルチャーの発信地」になるだろうと高く評価した。

 筆者は、中目黒のこの高架下を知り、「高架下の印象が一新」したと記している。中国の高架下は無駄に広いばかりで汚くごちゃごちゃしており、お世辞にも清潔とは言えない場所になっている。屋台などの露天商も多く、記事は中国も日本の高架下における「空間の有効利用」を見習うべきだと主張、中目黒ほどのレベルとは言わずとも、せめて「暗くて汚い」状態からは変化して欲しいと希望した。

 こうした空間利用は日本の得意な点と言えるだろう。しかし、中国のように雑然としていて露天商が並ぶ様子もまた違った味わいがある。どちらが良いとは一概に言えないのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)