リーガ・エスパニョーラ2部のテネリフェに移籍した柴崎岳に対して厳しい報道が続いています。いろんな記事を読む度に、僕は「ちょっと待って」と言いたくなっています。

1部のラス・パルマスではなくて2部のチームに行ったことが間違いなのでしょうか? いや、とてもそうは思えません。移籍の裏側、真相は誰にもわかりませんが、柴崎の24歳という年齢を考えると、今渡欧するのは間違いではなかったはずです。

そしてスペインの2部はレベルが低くはないのです。チームのレベルは拮抗していますし、厳しい戦いが待っていると思います。

しかも柴崎は元々、ヨーロッパの中で知れ渡っていたようなビッグネームではないのです。様々な天秤にかけられ、翻弄されたと言えるでしょう。確かに2016年クラブワールドカップ決勝のレアル・マドリー戦では2ゴールを挙げましたが、それでやっと興味を持ってもらえたという存在だと思います。

そういう選手をメディアが持ち上げてくれるはずはありません。最初は疑惑の目で見てくるでしょう。そういう反応に柴崎は惑わされないでほしいと思います。

もっとも柴崎もプレーの質を変えなければいけない部分があるかもしれません。ドイツやイタリアよりもスペインはテクニカルで、1対1の局面では1人で打開することが望まれます。日本ではパサーとしてのセンスを見せていた柴崎ですが、スペインではさらに攻撃力を示さなければいけないでしょう。

また、日本に比べると手厳しいメディアとの付き合いも憶えていかなければいけないと思います。ただ、これは周りの選手の対応を見ながら憶えられることでしょう。

早く体調を戻し、結果を出すこと。これで一気に評価は変わります。今回の柴崎の挑戦に、なんのマイナスもありません。ぜひここで活躍して、また日本代表に戻り、「ポスト遠藤保仁」としての地位を確立してほしいと心から願っています。