和田アキ子「ゴールデンタイム」より

写真拡大

 2016年『第67回NHK紅白歌合戦』の出場者が発表された。まずは46組の顔ぶれを見てみると--。

<白組>(出場回数)
嵐(8)/五木ひろし(46)/X JAPAN(7)/関ジャニ∞(5)/桐谷健太(初)/Kinki Kids(初)/郷ひろみ(29)/三代目J Soul Brothers(5)/THE YELLOW MONKEY(初)/SEKAI NO OWARI(3)/Sexy Zone(4)/TOKIO(23)/AAA(7)/氷川きよし(17)/V6(3)/福田こうへい(3)/福山雅治(9)/星野源(2)/三山ひろし(2)/山内惠介(2)/ゆず(7)/RADWIMPS(初)/RADIO FISH(初)

 白組で目立つのは、<企画枠>でのゲスト出演かと思われたRADIO FISHや桐谷健太(注1)の正式出場。そしてKinki Kidsが初選出された一方、肝心のSMAPの名前が無いこと……。

<紅組>(出場回数)
AI(2)/絢香(8)/E-girls(4)/いきものがかり(9)/石川さゆり(39)/市川由紀乃(初)/宇多田ヒカル(初)/AKB48(9)/大竹しのぶ(初)/欅坂46(初)/香西かおり(19)/坂本冬美(28)/椎名林檎(4)/島津亜矢(3)/高橋真梨子(4)/天童よしみ(21)/西野カナ(7)/乃木坂46(2)/PUFFY(初)/Perfume(9)/松田聖子(20)/水森かおり(14)/miwa(4)

 宇多田ヒカルは「え、まだ?」、欅坂46は「え、もう?」という初出場組の驚き(注2)はあれど、なんと言っても<紅組>で話題沸騰なのが和田アキ子の落選だろう。これまで39回の出場を誇る和田は、出場が叶えば40回という節目を飾れていた。

■NHKの巧妙なワナ?

「ヒット曲も無いのに、なぜ紅白に出続けているの?」
「司会の綾瀬はるか(2015年)と同じホリプロだから、バーターだろ!」

 上記のような罵詈雑言が、毎年のように和田アキ子の紅白出場に対して浴びせられてきた(注3)。

 実は近年、和田にはNHKから「そろそろ……(降りてもらっていいですか?)」という内々の降板打診が何回かあった。そこをホリプロがバーター含め政治力で踏ん張ってきた、という実情がある。だから批判は概ね事実なのだが、いよいよ取引材料が尽きた、ということか?

「既に報じられています(注4)が、再来年の大河ドラマ主演にホリプロの鈴木亮平の抜擢が決まっている。しかし彼の知名度からして、何かを要求するどころかNHKに頭が上がらなくなってしまった」(スポーツ紙芸能担当記者)

 せめて朝ドラ『とと姉ちゃん』でNHKに貢献した高畑充希(注5)が司会者となっていれば……。さらにバーター要素の排除に加えて、

「北島三郎、森進一らベテランが自ら申し出て、“紅白から降りて後進に譲る”のが美談という流れを作ってしまった。今年も細川たかしが出場者発表前に、“もう紅白には出ない。道を譲る”と会見(注6)。彼らにその意図は無かったとしても、結果的には<アッコ包囲網>を敷くことになった」(前同)

 ヒット曲も無いのに紅白に出場している歌手など、他にもいる。和田アキ子だけがここまで叩かれたのは、得意げに他人を断罪する不遜な態度が、反発を呼んでいたからだろう。つまりは自業自得。

 今年の紅白のチーフ・プロデューサーは、『のど自慢』も担当する矢島良氏。いつもの言動を<笑って許して>もらえなかったので、<あの(落選の)鐘を鳴らすのはあなた(矢島氏)>となってしまった。

(注1)桐谷健太…歌手活動もしているが…。
(注2)初出場組の驚き…大竹しのぶとPUFFYの初出場も、「なぜ、いま?」感がぬぐえない。
(注3)罵詈雑言…主にネット界隈で。
(注4)既報…「週刊文春」11月24日号。
(注5)高畑充希…当然、ホリプロ所属。
(注6)辞退会見…落選を予感して、自ら降りたという見方もある。

著者プロフィール


コンテンツプロデューサー

田中ねぃ

東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。Daily News Onlineではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中‟ダスティ”ねぃ