【米国はこう見ている】上原浩治、強打者3人斬りでレ軍6連勝に貢献「ウエハラが再び8回を鉄壁に」
復帰後7戦連続無失点、地元メディアも好投称賛「まさに効率的」
レッドソックスの上原浩治投手は20日(日本時間21日)、敵地でのオリオールズ戦に4番手で登板し、1回無安打無失点1奪三振の快投で今季14ホールド目を挙げた。チームは首位攻防戦の初戦を5-2で制し6連勝。わずか12球で強打者3人を仕留めるセットアッパーの完璧な投球を地元メディアは「まさに効率的」と称賛している。
上原は3点リードの8回に登板した。先頭のデービスは86マイル(約138キロ)の直球で左飛に打ち取ると、マチャドはスプリットを6球続けて遊飛。4番トランボは86マイル(約138キロ)の直球を2球続けて見逃し、空振りと追い込み、1ボールの後、最後は78マイル(約126キロ)のスプリットで空振り三振に仕留めた。
地元メディアの「CSNニューイングランド」は「ウエハラは再び8回を鉄壁にしている」とのタイトルで記事を掲載。古巣オリオールズ相手に右腕が見せた快投について「かつて在籍していたチーム相手の登板で、ウエハラは8回を投げ抜く責任を見事に果たしてみせた。オリオールズでも特段、危険な3人の打者、クリス・デービス、マニー・マチャド、マーク・トランボ相手にだ」と伝えている。
上原の復帰で盤石ブルペン形成、「いよいよ一枚岩」
この試合では12球を投げてストライクは10球。抜群のコントロールで果敢にストライクゾーンを攻め、あっという間に強打者3人を料理した。記事でも「これまで通り、ストライクゾーンを攻めてデービスとマチャドを力ないフライに仕留めると、トランボからは空振り三振を奪った。トランボ相手にウエハラは落差のあるスプリットと彼の代名詞でもある伸びのある直球を組み合わせ、巧妙に攻めてみせた」と、その投球内容を称えている。
「3アウトを奪うまでわずか12球しか要さず、まさに効率的と言える内容であった」
上原の持ち味を存分に生かした投球だった。防御率は3.77。まだまだ上原らしくない数字ではあるが、徐々に良くなってきている。
レッドソックスは9回を守護神キンブレルが締めて6連勝。ここに来て勢いは加速しており、11試合を残して2位ブルージェイズとは5ゲーム差と地区優勝に着々と近づいている。「レッドソックスはポストシーズンが近づくにつれ自信を深めている」と伝えているのは、地元テレビ局の「NESN」(電子版)だ。
「ブルペン陣は、万全となったウエハラが8回、クレイグ・キンブレルが9回を担当することでいよいよ一枚岩となったように見受けられる。レッドソックスはオールスター後でア・リーグ1位のチーム防御率(3.55)を誇っている」
チームの状態に指揮官も手応え、「日に日に自信が満ちてきている」
右胸筋の負傷から復帰後、上原は7試合連続無失点と快投を続けており、チームに安定感をもたらしている。通算253セーブを誇るキンブレルとのリレーは、まさに盤石だ。
記事によると、ジョン・ファレル監督は「クラブハウスは日に日に自信が満ちてきているように感じている。何度か壁を乗り越えてきた、それが敵地であろうが、同地区相手のビハインドな試合展開でも。こういったことがカギだったんだ。そういった場面で成功をつかめれば、雪だるま効果が生まれるんだ。バランスをとるために言うと、誰も過信はしていない」と確かな手応えを示したという。
この試合では、1点リードの7回に今季限りでの引退を表明している主砲のデビッド・オルティスが3ランを放ち、流れを大きく引き寄せた。「NESN」は、勝負どころで打線にホームランが出ていることも指摘した上で「こんなチームが自信を感じていないはずはないだろう」とも伝えている。
地区制覇は目前。圧倒的な勢いで、2013年以来となるワールドシリーズ制覇への期待も高まってきた。レッドソックスの快進撃に、やはり上原の存在は欠かせない。