写真は「YEAH! YEAH! YEAH!」より

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 パワハラの実態を報じられたEXILE所属事務所のLDHを糾弾する声がやまない。『週刊文春』(文藝春秋)報道を機に、土下座、丸坊主にラーメン強要など、事務所内でのイジメの数々が明るみに出たことでブラック企業と認定されてしまったのだ。日本を代表するユニットに成長したEXILEだが、その内部では何が起こっているのだろうか?

「長時間や時間外の労働は、他の芸能プロでもありふれた話ではある。ただ、LDHの“ヤンキーノリ”は業界内でも非常に評判が悪い。音楽事業で大きな成果を上げた同社は、毎年のように有名プロダクションからスタッフを引き抜いていますが、彼らもすぐに見切りを付けて退社しています」(芸能プロ関係者)

 ドラマやバラエティなど、テレビ界への進出は“失敗だった”と見る向きも強いが、それでも現在のLDHの勢いはとどまることを知らない。

「すでに発表されているように、HIRO(47)は東京五輪・パラリンピックの文化・教育委員会メンバーを務めることが決定し、開会式にEXILEが出場するプランも画策中といいます。すでにAKB48グループの出場は内定しているようですが、男性アーティストでは現状LDHとジャニーズ事務所が2大候補。HIROの委員会抜擢により、LDHは大きく前進したこととなります」(レコード会社関係者)

■政治家や企業家と太いパイプ?

 EXILEは2009年の天皇陛下御即位20年記念式典でもパフォーマンスを披露しており、その際にも「なぜ彼らが?」と疑問の声が殺到した。

「HIROを始めとした同社幹部は積極的に政治家や企業家ら有力者とのパイプを築いており、連日のようにパーティーに顔を出していると聞きます。テレビやマスコミも、すでに彼らには逆らえない状況が築かれている。躍進の秘密は人気以上に、こうした根回しが功を奏した部分が大きいのでは」(前出・関係者)

 “ブラック企業”に属するアーティストが、世界に発信される式典に出場──。この不合理な選出には今後、批判は免れないだろう。いま世界の潮流は「非暴力」へと向かっている。同社代表のHIROは沈黙を守っているが、それで果たして世間には許されるのか。同社の誠意ある対応が求められている。

文・橘カイト(たちばな・かいと)※1979年島根県生まれ。編集プロダクションを経て、フリーに。週刊誌などで芸能関係の記事を執筆。また、民俗学などにも精通し、日本のタブーにも数多く取材。主な著書に『真相!禁忌都市伝説』(ミリオン出版)ほか多数。