レッドソックス・上原浩治【写真:Getty Images】

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自己ワースト防御率4.83、最近8日間で5度登板の働き

 昨季までレッドソックスの絶対的守護神として活躍した上原浩治投手だが、今季はいまいち調子が上がらない。パドレスからトレード移籍してきたクレイグ・キンブレルが新守護神を襲名したのに伴い、キンブレルにつなぐセットアッパーを務めることになったが、今季はこれまで34試合に登板し、2勝3敗、防御率4.83という成績。防御率だけを見れば、2009年のメジャー移籍以降自己ワーストとなっている。

 4日(日本時間5日)に本拠地で行われたレンジャース戦で登板した際は、5点リードの8回にマウンドに上がり、先頭オドルにフェンウェイパーク名物の左翼にそびえるグリーンモンスターを越える大きな1発を浴びた。上原は1死を奪った後にセンターへの二塁打を許したところで降板。地元紙「ボストン・ヘラルド」電子版では、メジャー救援投手最年長の上原の起用法に疑問を呈するとともに、今季威力を失いつつある決め球のスプリットにも触れている。

 この日の登板も含めると、上原は最近8日間で5度マウンドに上がっている。前日3日にも、わずか10球だったとはいえ1イニングを投げている上、この日は大量5点リードの場面で登板。上原に連投させなくてもいい状況ではあった。起用について質問されたファレル監督は「今日は2イニングを3人で乗り切りたかった。今はブルペンが手薄な状態。コウジはイニング途中からの登板はあまり得意としない」と話し、やむを得ない選択だったと説明したそうだ。

決め球スプリットの被打率と被長打率は大幅アップ

 記事によれば、これまで最大の武器として使ってきたスプリットの被打率が、今季は大きく変化しているそうだ。昨季は被打率.189、被長打率.300だったのに対し、今季は被打率.241、被長打率.556と、両数値とも大幅に上昇。この日、オドルに許した1発もカウント2-2から投じた5球目スプリットだった。試合後、上原は「あれはいい球ではなかった。(スプリットを)もっといい状態にしようとトライしている。今、取り組んでいる最中です」と通訳を介して話したそうだ。

 オールスター休みが終われば、メジャーの各球団はトレード・モードに入る。現在、ア・リーグ東地区首位争いを繰り広げるレッドソックスは、ブルペンの補強が課題の1つとされている。即戦力をトレード補強することもできるが、加えて上原が復調すれば地区優勝が大きく近づくことになるだろう。