「堀北真希写真集 Dramatic」より

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 堀北真希(27)の妊娠を21日発売の週刊誌『女性自身』(光文社)がスクープしたことを受け、夫で俳優の山本耕史(39)が同日に自身のファンクラブサイトでコメントを発表。意にそぐわないタイミングでの報道に怒りをにじませ、ネット上でも過剰なプライバシー報道を批判する声が高まっている。

■山本耕史「意に反する」報道に怒りのコメント

 山本は「このたび私たち夫婦が新しい生命を授かりましたこと、週刊誌『女性自身』にて追跡報道されました通りです」と堀北の妊娠の事実を認めつつ、その一方で「本来であれば安定期に入った段階で、まず会員の皆様にご報告すべきところですが、私たちの意思に反して、この時期に、そしてあのような形で報道されてしまいました」と記述。

 続けて「何より日頃から応援してくださっている会員の皆様へ報告が遅れてしまったこと、心よりお詫びいたします」とファンに謝罪し、「どうか授かりました新しい生命の誕生を静かに見守っていただきますようお願いいたします」と呼びかけた。

 また、今後は出産などプライベートな出来事に関しては、山本自身および彼の所属事務所から報告することは控えたいとの考えを示唆。「ファンの皆さまには、プライべートを大切にしたい想い、ご理解いただけると信じております」と締めくくっている。

「同誌では、今月上旬に都内の病院に極秘通院する堀北の姿を隠し撮り。緊張の面持ちで産婦人科へ入る様子や、病院から出てきた場面を『母になる喜びがにじんでいる』などと伝えている。関係者のコメントとして『最近妊娠したそうだ』『予定日は年末ごろと聞いている』といった証言も掲載され、ここまで書かれてしまうと他のメディアも騒ぎますから無視できなくなる」(芸能関係者)

 報道後、堀北の所属事務所は「妊娠はごく初期の段階。大事な時期なので温かく見守っていただければ」と事実を認めたが、困惑している様子も感じられた。デリケートな時期の妻を追跡されたうえに妊娠を書き立てられた山本の怒りはそれどころではなく、今回の「意思に反する報道」という厳しいコメントにつながったといえる。

■小林麻央の乳ガン報道でも…求められる最低限のモラル

 業界内からも週刊誌報道への批判が上がっており、フリーアナウンサーの夏目三久(31)は報道当日に自身がMCを務める『あさチャン!』(TBS系)で、「妊娠3カ月の時点で週刊誌の報道によって明るみに出たというのがね、ちょっと報道が過熱し過ぎな気がします」「まだ3カ月ですから、母子ともに健康であるようにそっと見守りましょう」と少し厳しい表情でコメントした。

 また、エジプト人タレントのフィフィ(40)は「産婦人科に極秘通院する女優をすっぱ抜いて、不安定な時期に妊娠発表するこの流れ、麻央さんの件と同じで不快でしかない」と自身のTwitterで苦言。続けて「過熱する報道合戦にどこかで歯止めかけないと、有名税って言葉だけで片付けてたら民度が下がる一方だよ」などと一部メディアの姿勢を批判した。

 これにネット上でも「もしストレスで流産したらどう責任とるんだ」「報道の自由でも何でもなくストーカーだろ」「妊娠初期でスッパ抜くとか神経を疑う」「せめて安定期に入るまで待てなかったのか」といった同様の意見が続出している。

 最近は芸能人の妊娠や病気に関するスクープには批判の声が多く上がっている。その大きなきっかけは、フィフィが指摘したように乳がんで闘病中の小林麻央(33)をめぐる報道。6月9日付の『スポーツ報知』がスクープし、過熱報道によって夫の市川海老蔵(38)が会見を開いて「追っかけて来ないで」とマスコミに釘を刺す事態となった。

 その後も自宅周辺で隠し撮りなどがあり、海老蔵は自身のブログで「お仕事である事は重々承知しておりますが、人の命に関わることです」「マオ本人の負担になるような撮影はやめてください」などと取材の自粛を何度も求めている。

「近年は週刊誌やスポーツ紙の売上が激減していますが、スクープを連発している『週刊文春』(文藝春秋)などは完売することもある。生き残りを懸けたスクープ至上主義が強まり、最低限のモラルすら失って報道合戦が過熱。デリケートな個人情報にまで踏み込むメディアが続出しています」(前出・関係者)

 いくら話題になるといっても、世間の反感を買い続ければ逆にメディアが自分の首を絞めることにもなりかねない。スクープは芸能人の宿命とはいえ、命にかかわるような報道はしっかり線引きするモラルが求められそうだ。

文・佐藤勇馬※個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、ネットや携帯電話の問題を中心に芸能、事件、サブカル、マンガ、プロレス、カルト宗教など幅広い分野で記事を執筆中。著書に「ケータイ廃人」(データハウス)「新潟あるある」(TOブックス)など多数。