酒井宏樹 ブルガリア戦で再会したかつての恩人とは
そんなことはなかった。
試合の感想を聞かれると「勝ってよかったです」と一言だけ。あまりの言葉の少なさにビックリしていると、「うーん、ヨーロッパ人相手なので面白かったですし、アジア勢と違って僕たちが攻め続ける感じじゃなかったので、守備陣が要所で大事になってくる、キーになってくるとは思っていました」と言葉を足した。そして「2失点はいらない」とボソリとも一言。本当はその失点が気になっていたのだろう。
酒井宏は柏レイソルでプロになった年、サンパウロ州のモジミリンECに短期留学した。そのとき、マルセロ・ナシメントダコスタとチームメイトだったのだという。その後、マルセロ・ナシメントダコスタはブルガリアの国籍を取得し、代表選手になっていた。
「試合前の整列の時に、『おい、ヒロキ!』みたいに言われて。むっちゃ懐かしかったです。あいつはめっちゃ優しくしてくれて」
「あいつは」という部分が強調されていたので、辛い目にも遭ったのだろう。だが酒井が憶えていたのは、相手が親切だったからだけではないようだ。
「すごいオレも憶えていた選手でした。うまかったんで。ブルガリアリーグでプレーして帰化してたらしくて。ユニフォーム交換も出来て、すごいうれしかったです。もともといい選手だったけど、ますますいい選手になってましたね。独特のリズムだったし」
「終わった後もずっと話し込んでました。いい選手ですしね。頑張ってるし。中国行くと言ってました。もう31歳だから」
そんな相手にも酒井宏は容赦なくぶつかり、ボールを奪い、かわして攻撃に参加していた。恩返しはできたか、という問いに対しては酒井宏らしく、ぼそりと「はい」と一言だけ。だが、顔には笑みが浮かんでいた。
【日本蹴球合同会社/森雅史】
▼ 清武弘嗣、岡崎慎司

(撮影:岸本勉/PICSPORT)

(撮影:岸本勉/PICSPORT)
▼ 川島永嗣

(撮影:岸本勉/PICSPORT)

(撮影:岸本勉/PICSPORT)
▼ 川島永嗣

(撮影:岸本勉/PICSPORT)

(撮影:岸本勉/PICSPORT)
▼ 川島永嗣

(撮影:岸本勉/PICSPORT)

(撮影:岸本勉/PICSPORT)









