間違いだらけの歌「うれしいひなまつり」
雛人形を飾ったら、その日のうちに片付けないと、婚期が遅れるなどの言い伝えがあり、慌てて片付けたり、後ろ向きに置いたりする人もいるはず。
その雛人形にまつわる違いなどを、2月28日の「この差って何ですか?」(TBS系)で放送した。
雛人形には、一般的な雛人形と、京雛人形がある。
その違いは、並び方。
一般的なものは、向かって左側に男雛、右側が女雛になっているが、京雛は逆。
京雛の並べ方は昭和天皇より前の天皇の座り方の位置を参考にしているが、一般的なものは昭和天皇を参考にしているからだとか。
そして、雛祭りの定番である「うれしいひなまつり」の歌。
これは昭和11年に発表されたもので、作詞はサトウハチロー氏。
しかし、歌詞の中の雛人形と、実際の雛人形には違いがある。
まず、2番の冒頭にある「お内裏様とおひな様」と歌うところだが、これは間違いでこういう呼び方はしないそうだ。
番組では、岩手県にあるサトウハチロー記念館に出向き、息子の佐藤四郎氏に話を聞いた。
なぜ「お内裏様とおひな様」にしたのかを聞くと、「これは明かに、ハチロー(父)の勘違いです」と告白。
本来、男雛と女雛を合わせて「内裏雛」とよぶ。
「内裏」とは宮中のことを表すが、ハチロー氏は「内裏雛」をふたつに分けてしまったということだ。
さらに、「すこし白酒めされたか 赤いお顔の右大臣」も間違い。
実際は、向かって左側が右大臣で白い顔をしており、左大臣が赤い顔をしている。
これに関しても、四郎氏は「ハチローに言わせれば勘違いだった」とのこと。
座っているところが右側だったために、右大臣と勘違いしたそうだ。
「あれはハチローさんの間違いじゃないか!」と、言われることもあったが、「子どもたちが歌ってくれるから、プラスマイナスゼロじゃないか!」とハチロー氏は言っていたとか。
なんとも笑えるエピソード。
子どもたちにとっては、どちらが右大臣でも関係なく、楽しければいいということだ。