ミュージカル「さよならソルシエ」出演 小野健斗&Kimeruインタビュー ピアノと音楽で紡がれる物語とは――
舞台は19世紀末のパリ。のちの天才画家フィンセント・ファン・ゴッホとその弟で、画壇界を席巻する天才画商のテオドルス・ファン・ゴッホ。兄と弟、ふたりのゴッホの確執と宿命、そして絆を描いた感動の物語が、本格的ミュージカルとして舞台化! 原作は、「このマンガがすごい!」2014年オンナ編で堂々の1位を獲得した人気作品で、今回は舞台上で奏でられる生ピアノの演奏とキャストたちの歌声にも注目が集まっている。エミール・ベルナール役の小野健斗とポール・ゴーギャン役のKimeruに、本作への意気込みを聞いた。

撮影/すずき大すけ ヘアメイク/大坪真人【小野】、山崎照代【Kimeru】
取材・文/野口理香子


共通点ナシ!? 性格が真逆なふたり



――小野さんとKimeruさんは、今回の舞台が初共演ですよね。

小野 そういえば初共演なんですよね!
Kimeru これまでに飲み会とかで顔をあわせることはあったけどね。最初に会ったのは、いつだろう…。ミュージカル『テニスの王子様』のときかな。僕は全然覚えてないけど…若手俳優の中のひとりっていう(笑)。
小野 僕のほうも、なんか先輩が来たなって印象だったと思います…(笑)。
Kimeru でも、今回いろいろ話すようになって、クールな子なんだなと思いました。あと、意外と交友関係が広いよね。
小野 友だちは少ないんですけどね。

――仲良くなるのに時間がかかるタイプなんですかね…?

Kimeru 常にクールだよね。それにどんなときでも周りに流されない。
小野 はい、マイペースなんです。
Kimeru 飲み会がどんなに盛り上がっていても、自分が帰りたくなったら…
小野 「さぁ帰ろっかな〜」って(笑)。
Kimeru みんな、そのスタイルを認めているからいいと思うけどね。

――Kimeruさんは、小野さんとは真逆のタイプでは?

Kimeru 僕はオバちゃん歴長いから! 10代の半ばぐらいからずっと「オバちゃん」って言われてるから(笑)。
小野 Kimeruさんがいると、現場が盛り上がってとても楽しいです。
Kimeru 現場が楽しくないとイヤだもん。なぁなぁな関係はイヤだけど、楽しんでやりたいじゃないですか。今回も楽しくやろうね。
小野 はい!



――あるインタビューで、Kimeruさんは毎日必ずデザートを食べるとおっしゃっていましたが、今もその習慣は変わらずですか?

Kimeru 一日の締めは、絶対になにか甘いものを食べますよ。ケーキとか重いものを食べるときもあれば、アイスとかフルーツをさくっと食べるときもあります。
小野 甘党なんですね。寝る前に絶対食べるんですか?
Kimeru 食べる。居酒屋で最後の締めでデザートを食べることもあるし、デザートが置いてないお店だったら、家に帰って食べちゃう。でもさ、甘いものを食べたら、しょっぱいものを食べたくなるよね? 食べ放題なんか行ったら、エンドレスで食べ続けられちゃう。
小野 えー…考えられない…。

――小野さんは逆に、食が細いほうですか?

小野 食べないってわけじゃないんですけど、一度食べるとおなかがいっぱいになっちゃうんです。たとえば、夜に食べに行く約束をしていたら、その前にお菓子とか食べられない。常に逆算して、食事の量を調整しなきゃなんですよ。
Kimeru 僕なんか行き当たりばったりだから、地方公演に行ったら、これを食べられるのは今しかない!って思ってついつい食べ過ぎちゃう。キャストのみんなが痩せていくなか、僕だけ太っていったりするんだよね。同じ運動量なのに(笑)。
小野 Kimeruさんの摂取量がハンパないわけですね…(笑)。

――食生活でもおふたりに共通点はないようですね(笑)。

Kimeru まったくない!(笑)



ピアノ1本の生演奏 プレッシャー感じる?



――舞台への出演が決まったときの感想をお聞きしたいのですが…

小野 そもそも、出演が決まるまでの経緯ってどんな感じでしたか?
Kimeru 実は舞台化されることは以前から聞いていたんだけど、僕にオファーは来ないだろうなって、どこか他人事だったかも(笑)。でも声をかけていただいて、それもピアノ1本で歌う舞台だって聞いて、「オシャレ!」「絶対出たい!」って思いました。
小野 僕はオファーがあったとき、何があったんだろうとビックリしました。そこで、良知(真次)くんと(平野)良くんが主演をやるっていうのと、ピアノ1本でミュージカルを上演すると知って、少し戸惑いもありましたが、ぜひお願いします!とオファーを受けさせていただきました。
Kimeru 舞台『サクラ大戦奏組』観たよ。良かったよ、歌。
小野 わー! ありがとうございます…。

――今回は、ピアノの生演奏っていうのが見どころですもんね。

Kimeru 素晴らしい曲だけど、難しいんですよね…。
小野 やっぱり難しいですよね? 僕からしてみると、難しいかどうかもわからないんです、歌うことに一生懸命で…。
Kimeru 難しいよ。しかも“生”だもん。芝居中、ピアノの横でずっと歌うわけじゃないから、同じ音響で聴けないってことだよ。立ち位置によっては、ピアノの音が聴こえづらいときもあるかもしれない。
小野 そうですよね…。そこまで考えていませんでしたっ…!
Kimeru テンポだって音の大きさだって、日によって違うこともあるかもしれない。ナマモノだから、何が起きるかわかんない。
小野 ……。

――小野さん、どんどん深刻な表情に…(笑)。

小野 だ、大丈夫です! もし間違えたとしても堂々とやってのけてみせます! いっそKimeruさんのせいにします!(笑)
Kimeru 「あ、間違えた!」って気づいたら、ずっと見てるからな!(笑)



ゴッホ兄弟を演じるのは“激アツ”コンビ



――小野さんはベルナール役、Kimeruさんはゴーギャン役ですね。ふたりとも実在する人物ですが、知っていました?

小野 知らなかったです…(小声)。
Kimeru 僕は知っていました! 中学生のころは美術部で、油絵を描いていたから、記憶の片隅にあったんだと思う。
小野 僕の場合、ゴッホがギリです…(笑)。
Kimeru (笑)。名前は知っていても、画家同士がどういう関係かまでは知らなかったので、舞台の出演が決まってから、いろいろ調べたよ。

――ゴッホ兄弟を演じる良知真次さん、平野良さんとは初共演ですか?

小野 ガッツリ共演するのは初めてですね。
Kimeru 僕は、良知くんとは歌歌劇『幕末Rock』でガッツリ共演していて、良ちゃんとはこれまでに共演したことはあったけど絡みはそこまでなかったから、今回が楽しみ! 良ちゃんは、芝居に対してめっちゃ熱いヤツなんですよ。良知くんもまた違った熱さを持っているから、似たもの同士、ぶつかり合ったりして…。
小野 さすがに喧嘩したりはしないと思いますけど(笑)。
Kimeru ふたりともいい大人だもんね(笑)。

――本作では“兄弟の絆”が描かれていますが、おふたりとも兄弟はいらっしゃいますか? 性格はご自身と似ていますか?

Kimeru 妹がいるけど、性格はまったく似てないな。妹のほうが男っぽいかも。小さいころ、僕がいじめられて泣いて帰ってくると、妹が相手に殴りこみに行ったりしてたもん(笑)。
小野 うちは姉がいますけど、性格は似てない…っていうか、姉が両親に怒られてきた姿を見て育っているから、自分はうまくかいくぐるクセがついちゃってるんですよね。
Kimeru ああ、そういう顔してるもんね! そんな顔してる!!
小野 ……。だから、両親に反抗したりすることもなかったです。



絵画を“音楽”で表現するという挑戦



――作品の舞台は19世紀末のパリですが、当時の人びとの暮らしぶりなどを想像するのはなかなか難しそうです…。

Kimeru 難しい。本当に難しい。

――どのように演じようとお考えですか?

小野 僕の場合、ストーリーテラーじゃないけど、説明するシーンが多いんです。
Kimeru あぁ、語りの部分ね。
小野 だから、自分の感情をバッとぶちまけるシーンもあんまりないんですよね。そこらへんをどう演じようか考えているところです。
Kimeru 僕は以前、「タイタニック」の舞台に出演したときに、イギリスの演出家に言われたことが印象に残ってて。海外の人と日本人って、楽しみ方にしても悲しみ方にしても、感情の出し方が全然違うんだよね。

――演出家の方に、何と言われたんですか?

Kimeru 日本人の演出だと、悲劇的な場面ではとにかく暗く暗くしたがるけれど、海外では逆で、窮地に追い込まれたときこそ、おなかをポーンって叩いて笑わせたり、音楽を奏でたりして励まし合うんだって。だから、「悲しいシーンでも悲しそうに演じるな」って言われたの。もっと楽しくやろうって。
小野 へー!
Kimeru 今回の舞台でも、そういうシーンあるじゃん? 悲しいときこそ、もっとエネルギッシュに、“頑張っていこうぜ!”っていう前向きな気持ちを表現したいなって。
小野 そのほうが、切なさがより伝わるのかもしれないですね。
Kimeru それで、楽しいシーンはより楽しく華やかにしたいなって僕は考えています。

――どんな演出になるのか楽しみにしています! 最後に、舞台への意気込みを聞かせてください。

小野 僕、このあいだ、フェルメールとレンブラント展に行ったんですよ。静物画といって、食器や果物を、実物と見間違うほどリアルに描いている作品があるんですけど、展示のなかに、透明なグラスを描いた作品があったんです。
Kimeru ああ、僕も行ったけど、それ覚えてるなぁ。
小野 それを見たときに、「これすげぇな!!」って衝撃を受けました。透明な絵の具なんてないのに、確かにそれは透明のグラスなんですよね。そのことにものすごく感動しちゃって。僕は役者として、見えない気持ちとか、心の奥底にあるものとかを、演技で表現できたらいいなって思っています。

――なるほど。Kimeruさんからもお願いします!

Kimeru 今回の舞台では、たくさんの絵画が出てきますが、絵画を音楽で表現しています。同じ芸術を、絵画と音楽という違う形で表現しているところが見どころじゃないかな。
小野 確かに!
Kimeru お客さんはこの舞台で、絵を見て楽しむわけじゃない。僕らの歌と音楽で表現する絵を、そしてゴッホ兄弟の物語を、楽しんでいただけたらと思います。



【プロフィール】
小野健斗(おの・けんと)/1989年8月9日、東京都生まれ。O型。ミュージカル『テニスの王子様』、『薄桜鬼』シリーズ、舞台『メサイア』シリーズなど出演作多数。4月30日からライブファンタジー『FAIRY TAIL』に出演。
【Twitter】@kento_leo9

Kimeru(きめる)/1980年6月17日、熊本県生まれ。B型。2001年、アニメ『テニスの王子様』EDテーマ『You got game?』でデビュー。出演作に、ミュージカル『テニスの王子様』、超歌劇『幕末Rock』など。4月30日から、舞台『アンプラネット』に出演。
【Twitter】@Kimeru_


■ミュージカル「さよならソルシエ」公式HP
http://www.marv.jp/special/m-sorcier/

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