U-19代表時代からの戦友である大島(左)と遠藤(右)。ピッチ上のコンビネーションと同様、会話も弾んだ。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 リオ五輪出場を目指すU-23日本代表で、心臓部を担うボランチコンビの遠藤航と大島僚太。これまでU-19アジア選手権、U-22アジア選手権、アジア大会と重要な大会で準々決勝敗退を繰り返し、幾度も辛酸を舐めてきたふたりは「もう同じ過ちを繰り返したくない」と口にする。リオ五輪予選の準々決勝は1月22日。いよいよ始まる一発勝負の決戦を前に、ふたりが予選突破への決意を語った対談インタビューをお届けする。
※『サッカーダイジェスト/1月14日号』掲載記事を加筆修正。
 
――短期決戦の最終予選を戦い抜くうえで、チーム最年長の遠藤選手と大島選手の存在は非常に重要になります。ふたりはどのような役割を担いたいと考えていますか?
 
遠藤 僕はキャプテンですけど、普段、意識的にやっていることはあまりないんです。ただ、練習から常に100パーセントを出し切り、周りを引っ張りたいと考えています。試合でも仲間を落ち着かせるようなプレーをしたいですね。最終ラインの前で相手の攻撃の芽を摘むなど、チームを助けて、上手くコントロールしていきたいです。
 
大島 僕から見れば、航は本当にキャプテンとしてふさわしい存在。後輩にいじられたりはするけど、それが逆に良くて(笑)。
 
遠藤 そうそう、(1歳下の)岩波とか(鈴木)武蔵とか、グイグイいじってくるからね(笑)。ただ、それは信頼関係がある証拠で、一番上として気を遣われ過ぎても嫌なので、良いコミュニケーションが取れていると思います。
 
大島 僕は正直、チーム内での立ち位置というか役割はハッキリしていないような……。とはいえ、監督から求められることをちゃんと理解して、チームのためにプレーするよう心掛けています。
 
遠藤 僚太は、みんなで食事をする時なんかに会話の中心にいるわけではないけど、試合になれば攻撃の軸としてゲームを作ってくれる。頼れる存在ですよ。僕がバランスを取って、どれだけ僚太を前に行かせられるかがこのチームでは大事。確かに僚太はあまりいじられず、僕より後輩たちに恐れられているとは思いますが(笑)。そういう意味で、立ち位置は少し違いますね。
 
――ふたりはボランチとしてこのチームの舵を握っています。プレー面において気をつけていることはありますか?
 
大島 僕は基本的なことしかないですね。一緒に前に出て行かないとか。ただ、最近は航とピッチ上で言葉を交わして、確認し合う機会が増えました。チーム全体でも、そういったピッチ上でのコミュニケーションの面で変化は感じています。
 
遠藤 それは手倉森監督のやり方が、チームに浸透してきた証拠だと思います。監督がテーマに掲げているのは?柔軟性と割り切り〞。これまでは攻守の切り替えだったり、全員攻撃、全員守備という部分を重視していたのですが、チームのベースができてきたからこそ、最近では90分間のなかでどう戦うかを考えるようになりました。無理してでも攻撃に行かなくちゃいけない時もあるし、守りを固めなければならない時もある。試合に勝つためには、そういったタイミングや戦い方を、自分たちで見計らって実践しないといけない。流れが悪ければ、良くするためにどうするのか、僚太とよく話すようになりましたね。
 
――つまり、手倉森監督が目指すサッカーに、チームが応えられるようになってきたということですね。では、具体的に監督から求められている部分は?
 
遠藤 僕の場合は、やっぱり90分間を通してチームをコントロールする力ですね。ゲームの流れを読むことに関しては、すごく意識しています。
 
大島 僕は守備が課題なので、監督からも何度も言われています。あとは攻撃の時に背後を狙えと。