スマートモビリティ社会の登場に向け、韓国のサムスン電子が車載半導体市場への本格的な参入の動きを見せている。中国メディアの蓋世汽車網は25日、将来性豊かな車載半導体市場でサムスン電子が成功できるかどうかについて論じている。(イメージ写真提供:123RF)

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 スマートモビリティ社会の登場に向け、韓国のサムスン電子が車載半導体市場への本格的な参入の動きを見せている。中国メディアの蓋世汽車網は25日、将来性豊かな車載半導体市場でサムスン電子が成功できるかどうかについて論じている。

 現在、世界中のさまざまな企業がスマートモビリティを開発中だ。そのなかにはGoogleやAppleといった自動車メーカーではない企業も含まれるとされる。自動運転車をはじめとするスマートモビリティが社会に普及するにつれ、車載半導体市場が拡大することは疑いようがない。しかしサムスン電子にとって車載半導体市場に食い込むのは決して簡単なことではない。記事はその理由を2つ挙げている。

 一つは車載半導体の技術レベルだ。韓国産業技術評価管理院(KIET)によれば、欧州のチップセットのレベルを100点とするなら米国は98.9点、日本は93.8点、そして韓国はわずか70.5点だ。この韓国の点数は「欧州に比べて2年後れている」ことを意味する。
 
 この採点を下したのは韓国の評価機関であるだけに信頼がおけるが、チップのレベルが2年後れているというのはかなりの差だ。例えば2年前のパソコンと現在の最新機種とを比較するとその差は歴然だ。サムスン電子の現在の技術力で市場に食い込むのはかなり厳しそうだ。

 2つ目の理由だが、自動車は人の命を乗せて走る乗り物であるため、当然、車載半導体には厳格な品質保証が要求される。そのため費やされる研究開発の時間もかなり長くなる。そうした理由で半導体メーカーと自動車メーカーが共同で開発を行うケースが見られ、共同開発の期間は何年にもわたる。こうした状況のゆえに、サムスン電子のような新規参入者は自動車メーカーに対して「他社と契約を打ち切って、今度からうちのチップ使ってみませんか」と簡単には売り込めないことがわかる。

 サムスン電子にとって非常に厳しい戦いになりそうだが、サムスン電子はすでにアウディと車載半導体の共同開発を行うことが決定している。まずこの共同開発を通して地力をつけることがサムスン電子に求められていると言えよう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)