21日深夜、フジテレビ「すぽると!」では「長嶋茂雄が語る高橋新監督との秘話」と題し、長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督と高橋由伸新監督にそれぞれ行ったインタビューの模様を放送した。

「慣れてはきてますけど、心地よさはない」。監督と呼ばれることについてこう語った高橋監督は、収録中、長嶋氏から一度だけ叱責されたという思い出を明かした。

それは入団3年目の2000年の事。プロに入って初のスランプを感じていた高橋監督は横浜戦において、それまでの一本足ではなくすり足で踏み込むバッティングフォームでボールを打った。結果はセンター方向へのホームランとなったが、これが長嶋氏の逆鱗に触れたという。

「タイミングが合わなかったり打てない打席が続いていて足を上げずに打ったんです。たまたまそれがホームランになって、横浜スタジアムで。(ベンチに)帰ってきて監督の前に座ってて。"なんでこんな打ち方してるんだ"って怒られて。なんで(長嶋氏は)怒ってるんだろうと思った。こっちはなんとかしようと思ったのにって」。高橋監督は苦笑いを浮かべた。

その一方、長嶋氏もこの時の出来事を語る。番組のカメラに「あの時は技術的なものではなく精神的なもので言った気がします」と前置きすると「彼にしてみればホームランを打って最高の喜びを監督の僕が怒るのは良くないけど、やはり普段の話をしている間にそういう(フォーム)のをビシッと決めたわけです」と続けた。

これにより自分のスタイルを貫く大切さを感じたという高橋監督だったが、当時そんな試行錯誤をした理由の一つには松井秀喜氏の存在もあったという。「僕自身、松井さんとの差を感じ始めていたのかもしれない。だから必死に練習していたのかもしれない」と振り返っている。