生活の乱れなのか代謝が悪くなったのか、ここ4〜5年で計20キログラム以上も体重が増量してしまいました。
こうなると、日々の暮らしも変容。一番大きいのは、服の選択肢が狭まってくることですかね。世間って、ポッチャリさんへの風当たりが厳しいんだな……。

そんな風潮へのアンチテーゼでしょうか? 10月26日に創刊される新雑誌、その名も『Mr.Babe(ミスター・ベイブ)』は「30代からのポッチャリメンズファッション&ライフスタイル誌」を謳っているそうです。

表紙を飾るは、あのジャック・ブラック。彼が指で示す「L」2文字は「LOVE&LARGE」を表しており、「心もカラダも大きな男は愛される」の意味だそう。

ここで、同誌がピックアップした心強きデータをご紹介しましょう。
「日本人男性の30%以上がポッチャリメンズ!」(厚生労働省「国民健康・栄養調査結果の概要/平成19〜23年」)
大胆に言い切ってしまっていますが、これは厚生労働省の資料から引用されている事実。要するにこの雑誌は、全国男性の約3割に向けて作られているわけです。

メンズナックルの元編集長による新雑誌


今回は、この新雑誌の詳細について掘り下げていきます。というわけで、『Mr.Babe』の編集長・倉科典仁氏にインタビューを申し込みました。


なんとこの方、あのアウトロー雑誌『MEN'S KNUCKLE(メンズナックル)』の初代編集長も務めたヤリ手。実はメンズナックル編集部に所属していた5年前から、『Mr.Babe』の構想を重ねていたというのです。
「私も"デブ歴"が20年を経とうとしていますが、やはり着たいものを着られないという悩みがあります。最近では"大きいサイズの専門店"も増えてきてはいますが、国内ポッチャリメンズの中心であるBMI25〜30の方々にピッタリな服を見つけるのは、未だなかなか難しいのが現状です」(倉科編集長)

この現状を受け、『Mr.Babe』ではファッションの提案に力を入れていきます。テーマは「読者のボディーにベストフィットするサイジング&コーディネート」。




サイズ展開の幅が広いブランドなどからアイテムを取り寄せ、それらを一流スタイリストがコーディネートして紹介。確かに、その着こなしはどれも上品です。
「『着れるか着れないか』ではなく、皆さんに"選ぶ喜び"を知ってもらいたかったんですね。これ、ポッチャリメンズには非常に嬉しいはずです」(倉科編集長)

それにしても、何故これほどまでにファッションに力を注ぐのか? それには、理由があるんです。
「独自に調査した結果、男の"ポッチャリ"は女性から悪印象を抱かれていないという事実がわかってきました。特に30〜40代の女性の半数は、"ポッチャリ"に抵抗感が無いようです」(倉科編集長)
もちろん、そこには"清潔感"という要素がマスト事項になる。小奇麗で、お洒落で、ポジティブなポッチャリメンズは、大人の女性の間では意外に注目株。俄然、「結婚相手」として急浮上してくるというのです。そうとわかれば、ファッション面に磨きをかけないでどうする!?

磨きをかければ、ポッチャリにモテ期が訪れるのは明白


もちろん同誌、ファッション以外の分野にも手を広げています。
ポチャメンズが選ぶべき「クルマ」特集


「体型とのギャップを狙うクルマのチョイス」や「ポチャメンに似合うポチャカワ車」など、様々なポッチャリ系カーライフを提案。
「グルメ」特集


ポチャキャラを活かした、オシャレなお店より"美味しく""ガッツリ""楽しいお店"を紹介。

「30〜40代に達した大人の女性としては、男性を選ぶ際に"経済力"や"包容力"が重要になってきます。また、若い頃に自分をフッたイケメンのように浮気しないであろう"安心感"も大事。自身のルックスを顧みているだけに、ポッチャリメンズには思いやりもあります」(倉科編集長)
なるほど。大人の女性を相手するには、「クルマ」や「美味しいお店の知識」などで"経済力"や"包容力"に磨きをかけることも不可欠ということか。
「それらを磨けば、好感度が上がるどころかモテ期が来るはずです」(倉科編集長)

『Mr.Babe』第1号の内容、まだあります。詰め込まれています。例えば、島田洋七、木下隆行(TKO)、大地洋輔(ダイノジ)、大根仁監督、元プロレスラーの佐々木健介などがインタビュー・対談に登場するし、"ポチャメン大好きグラドル"今野杏南がポッチャリ男性の魅力を語ってくれたりもする。海外の"ポッチャリセレブ"のコーディネートを集めたスナップページなんてのも用意されています。相当、力入ってますよ!



忸怩たる思いを抱えていたポッチャリメンズの期待感が爆発


そんな創刊号の発売を数日後に控えている現在ですが、早くもSNSを中心に妙な盛り上がりを見せています。試しにTwitterで「Mr.Babe」と検索してみてください。……なんでしょう、この不思議な期待値のマグマは!?
「世の中って、デブに対して否定的ですよね。服のサイズが無かったり、『自己管理できていない』と評価されたり。そういった風潮に対し、ポッチャリは潜在的に忸怩たる思いを持っています。それが、この反響に繋がっていると思うんですね」(倉科編集長)
それは、倉科編集長ご自身も同様。今までの鬱屈とした感情が、『Mr.Babe』創刊のモチベーションに繋がりました。

最後に、「Mr.Babe」というネーミングの由来について。もしかして、映画『ベイブ』から取ってます?
「いえ、そうではないんです。子どもだったり彼氏や彼女など"愛おしい存在"に対して、欧米では『Babe』という言葉を使うんですね。そこから取りました」(倉科編集長)
「Mr.Babe」とは、「頬ずりしたくなるほど愛おしい紳士」の意味だそう。

10月26日に創刊される『Mr.Babe』は月刊化を目指しており、来年の2〜3月ごろには第2号の発売が予定されているとのことです。
(寺西ジャジューカ)