MLBアメリカン・リーグ東地区優勝を22年ぶりに果たした、ムネリンこと川崎宗則選手が所属するブルージェイズ。
ダブルヘッダー試合の第一試合後に発覚した優勝で、シャンパンファイトは第二試合後のお預けとなったものの、ロッカールームでは葉巻での祝賀会が開かれていた。

同僚から受け取ったシガー(葉巻)を小粋にくわえるムネリン。その後思いっきり吸い込んでしまったようで、むせながらオエッとなっている動画が米国メディアで話題になった。

Kawasaki chokes on cigar. Don't inhale.https://t.co/Mo1rR529Aw

- David Alter (@dalter) 2015, 9月 26


喫煙者が肩身の狭い思いをしている世の中。なぜ葉巻をわざわざ祝賀会のような場所で堂々と配られていたりするのか?


シガーを配る米国の伝統


米国には人生の節目となるイベント時に達成感を表すものとして葉巻が使われる事が多い。結婚式、出産、商談の契約成立、スポーツの大会優勝などで「やったぞ!」を仲間と一緒に一服して祝うというもの。映画『インデペンデンス・デイ』のキャプテン・スティーブン演ずるウィル・スミスが「ビクトリー」シガーを対戦後に口にしている場面もあるように、ホッとリラックスできるひと時を得られるものなのかもしれない。

純白のドレスに身を包んだ花嫁の片手にはシガーという場面も珍しくはないが、よく見かけるのは、赤ちゃん誕生時に父になりたての男性が親戚、知人、友人に配るシガー。「男の子が生まれたよ」という場合はブルー、「女の子だよ」という場合はピンクの葉巻を渡すという、ちょっと可愛らしい風習だ。
最近の嫌煙者増大のため、シガーにみせかけたチョコレートにシフトしているというのも聞く。可愛い生まれたての赤ちゃんとは結びつかない葉巻、これが米国伝統の出産祝いなのだ。


特別な祝い事なのだから、葉巻だって特別な方がいいだろう。
葉巻と言えば「キューバ」。米国人にとってのキューバンシガー(キューバ産葉巻)はよく話題にあがるほどスペシャルなものだったが、今年になってオバマ大統領がキューバとの国交を正常化したこともあり、米国人でもキューバに行って、現地のシガーを手に入れることができるようになった。

プレミアムシガーともなると、職人が一本一本手巻きしているハンドメイドで、1本30ドルもする高価なものもある。

ムネリンがむせたのは肺まで吸い込んでしまったから、というメディアでの意見が多い。
普通の紙巻きタバコのようにせわしなく肺に吸い入れるものではない、ということで、葉巻は蒸かして味を楽しむものであるらしい。

人生の節目に、みなさんも葉巻を周りに配ってみませんか?
「ハピネスのシェア」と考えると、喫煙もちょっと素敵に思えてしまうのも不思議です。もちろん喫煙は20歳になってから!
(シカゴ/あらた)