少しは家のことも手伝ってよ……(画像はイメージです)

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世の中は「イクメン」だの「家事メン」だの言っても、現実には「うちのダンナは”大きな子ども”だから、家のことを何もしないの(できないの)」と嘆く(?)女性は今も少なくない。
もしかしたら奥さんは、そんな「何もできない・しない夫」を可愛いと思って言うのかもしれないが、そうした夫婦のプレイは別として、仮に本当に困っているのだとしたら、どうしたら? 精神科医で「ゆうメンタルクリニック」総院長の、ゆうきゆう先生に聞いた。

必要なのは根気よく頑張ることと丸投げする勇気


「夫が”大きな子ども”になってしまった場合、『自分で出来ることをする』『家庭内のことは家族である自分も担う』という習慣を徐々にでもつけていく必要があります。これには根気がいりますし、見守れないタイプの女性にはとても辛いことかもしれません」

実際、ホンモノの子どもと同じで、「ダンナがやってくれるのを待つくらいなら、自分でやってしまったほうが早い」という女性は多い。また、やってくれたところで、自分とやり方が違うとイラッとくるという人もいる。
「でも、それを乗り越えなければ永久に『大きい子ども』『大きい長男くん』の面倒を見る羽目になりますから、根気強く頑張ることが必要ですね」

夫に育児や家事に参加してほしいなら、夫を全面的に信頼し、「丸投げ」する勇気が必要だそう。

「してほしくないこと」より「してほしいこと」を伝える


基本的には、「してほしくないこと」ではなく「してほしいこと」を伝えてどんどん相手に任せていくことが大切だと言う。
「『夫はこんなことできない』『失敗するに違いない』『もっと面倒なことになるに違いない』と見くびらないで、『これをしてほしい』『あれをしてほしい』と伝えましょう。このとき、相手が『うん』と言うような質問やお願いをいくつかしておくと、勢いで『うん』と請け負ってくれる可能性が高くなりますよ」

とはいえ、頼んだことに対して、夫が「どうやってやったらいいかわからない」と返してくることもある。そんなとき、「これはこうやって」と教え始めると、つい細かい指示をしたくなってきて、挙句、「自分がやった方が早い」と感じてしまう可能性が高くなるそう。

「また、ダメ出しをすると、家事ハラだとおどけて周囲に言いふらし、自分がしなくていいように仕向ける可能性もありますよ」

め、面倒くさい……。では、どうしたら?
「『ネットで調べてみたら?』『この本に載ってたよ』『あなたのやり方でいいから』と、やっぱりほぼ丸投げするのがベストです。少しでも手伝うと、そこから一気に甘えてくる可能性が非常に高いので、最初は『あなたならできるわよ』『信じてるから』などと手伝う姿勢を見せない方がいいでしょう」

そして、自分がサポートするのは、「どうしても必要な場合」のみとすること。あくまでも女性はサポートであり、主となるのは夫だということを忘れないことが大切だと言う。

「徐々に徐々に家事育児に引き込んでいければそれが一番いいように思えますが、大きい長男は非常に巧妙なやり方で妻に『私がやるからもういい』と言わせようとします。 だから、夫に何かを任せたら、できるだけ傍にいない方がいいのです」

相手が失敗しても最後までやり遂げてもらい、「助かった」と伝えるのがベスト。指示をしたり、やり方をチェックしたりすると、喧嘩になった挙句、「もういい! 私がやるから!」と言わされてしまうのがオチだ。そして、その一言を言ったが最後、奥さんが家事を一切引き受けることになるのだと言う。

「任せたことは必ず最後までやり遂げてもらわなければ、夫が家事や育児を引き受けるチャンスを逃してしまいます。大きい長男の罠にかからぬよう、いっそ妻こそ『何もできないお嬢さん』を演じるくらいで良いですよ」

自分がバタバタのときや体調が悪いときは、シワシワの洗濯物の干し方・畳み方でも、水回りびしょびしょの食器洗いでも、やってもらえることは何でも心からありがたいもの。
そして、人は何でも繰り返すうち、次第にうまくなっていくものだから、長い目で見て「丸投げ」していくと良いのかも。
(田幸和歌子)

※ゆうきゆう 精神科医 著書多数。
ゆうメンタルクリニック総院長(上野院 03-6663-8813 上野駅0分)。(池袋東口院 03-5944-8883 池袋駅東口1分)。(新宿院 03-3342-6777  新宿駅0分)。(渋谷院 03-5459-8885 渋谷駅0分)。(秋葉原院 03-3863-8882 秋葉原駅0分)。
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