「仏像女子」ムーブメントが起きている 受講者が全員女性のワークショップとは

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個人的に、みうらじゅんさんの書籍を愛読しています。特に、いとうせいこう氏との共著『見仏記』は、かなり印象深かった。仏像を"ロック"や"アート"として見る視点は、紛れもなく新鮮でした。

そして今、全く新しい角度から仏像を愛でるムーブメントが女性の間で巻き起こっているらしい。その名は、「仏像女子」! 略して「仏女」です。

現在、そんな彼女らにある体験講座が人気を博している模様。フェリシモが7月より販売を開始しているのは、『仏像彫刻 入門』(税抜3,800円)。


セット内容は彫り方指導のDVD、レリーフ板、カーボン紙、下絵、スタンド、すべり止めシート(初回のみ)で、申し込み月から3回分(3ヵ月)が届けられます。
1カ月目は「地蔵菩薩」を、2カ月目は「如来」を、3カ月目は「白衣観音」を彫っていくとのこと。




でも、ちょっと難しそうだな。……と思った方、安心してください。すごく簡単です。レリーフ板に下絵を付け、それに沿って削っていくだけなので。身構える必要、ありません。しかも佛師・立花麟士氏が彫る手元を、さも自身の作業のごとき角度から撮影してくれており、その映像も指導DVDには収められています。至れり尽くせり!

「仏像女子」の生態とは


実はこの体験講座、今まで購入しているのは全員女性だそう。ここで一つ、質問したい。いわゆる「仏女」って、どういう人たちなんでしょう。仏様のキーホルダーを身に付けたり、そういう女の子たち?
「う〜ん、そういう嗜好って女性より男性の方が強い気がします。『お寺に行って仏様に会ってきた!』という感慨より、もっと内面と向き合う方が多いのではないでしょうか?」(同社・開発担当者)
例えばこの講座で仏像を彫刻し、その過程で癒された意識にもう一度出会いたい! そんな思いを胸に抱き、週末になると仏像に会いに行く。これが、仏像女子の生態(?)である。

もちろん「仏女」ムーブメントと、『仏像彫刻 入門』商品化は無関係ではない。
「今、仏様が"宗教"と言うより、もっと開かれたものとして受け入れられている現状があると思います。ここ数年、世界中で様々な事件・災害が起こり、『祈る』という行為が身近になったとも感じています。そんな気持ちを忘れないでいただけたら嬉しいなと、販売をスタートいたしました」(開発担当者)

内面と向き合う仏像女子に人気の、この講座。いくら修練を重ねても、決して資格取得にはつながらない。なるほど、その純粋さに嘘はないだろう。
「仏像彫刻にしろ写仏にしろ、"趣味"と言うより、もっと身近な"生活習慣"として接している方が多いと思います。仏様を迎え入れることが目的なので上手下手の概念は無く、失敗というものもございません」(開発担当者)

今回の講座では、1日10分取り組めばひと月で一枚が完成するものを提供しているらしい。ライフワークとするにはふさわしき手軽さである。
「この講座を購入し、また新しい板を用意していただければ、何度でも仏像彫刻に取り組むことができます。3体が100体にも1000体にもなるんです」(開発担当者)
なるほど、お百度参りに終わりはないということか。

もちろん今回の3体だけではなく、今後は新作の販売も予定されている。
「硬派に取り組みたい方から、少し興味があるくらいの人まで、全ての人に接していただきたい講座です」(開発担当者)
「生活習慣」とは、言い得て妙。仏女の間口を広め、奥行きを深める体験講座です。
(寺西ジャジューカ)