中国メディアの網通社は21日、世界最大の自動車市場である中国と、世界第2位の市場規模の米国では、消費者に好まれる自動車の種類には大きな違いがあることを紹介する記事を掲載した。

 記事は、2015年1-6月において米中で販売台数が多かった高級自動車ブランドを比較した結果として、ベンツやBMWは米中両国で高い人気を得ていることは共通していたが、全体的な傾向として「中国人はドイツ系を好み、米国人は日系車も好む傾向が明らかになった」と伝えた。

 続けて、米国で売れ行きの良い日系高級車ブランドは中国では「冷遇されている」としたうえで、米国で15万8848台を販売し、高級車市場で第3位のシェアを獲得したレクサスについて、中国では3万6260台しか売れず、米中で5倍弱もの開きがあったと伝えた。

 さらに、米国の高級車市場ではレクサス、アキュラ、インフィニティという日本の高級車ブランドが計33.2%のシェアを獲得したことを紹介。一方の中国市場では日系高級車ブランドの売れ行きは「芳しくなかった」と伝え、15年上半期に米国の高級車市場において販売台数ベースで5位となったアキュラは中国では販売台数ベースでトップ10に入っていないと紹介。トップ10に入った日系高級車ブランドはレクサスとインフィニティだけだったと伝えた。

 また記事は、日系高級車ブランド以外にも米中の高級車市場では売れ行きに「顕著な違い」があるブランドが存在すると伝え、その例としてアウディやジャガーランドローバーを挙げた。中国高級車市場においてアウディは15年上半期に27万3853台を販売し、31.3%のシェアでトップだったとしつつも、米国での販売台数は9万3615台でシェアは10.0%にとどまったことを指摘。

 さらに、「アウディやジャガーランドローバーは中国には多くのファンがいるブランドだ」と紹介し、米中の高級車市場で売れ行きの良いブランドに違いが出た背景について「米中では文化や消費に対する考え方が違うほか、現地生産などといった要素も影響している」と論じた。

 米国人には自動車を使いこなしてきた長い歴史がある。そのため、自動車本来の特徴を理解して客観的に選択する目が養われているようだ。一方中国人は自動車を持てるようになってから日が浅く、ブランド重視の傾向が強いため「高級車なら本場は欧米」との意識が強いようだ。さらに、反日感情がらみの安全性をめぐる「あらぬ噂」までも蔓延している。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)