本当のXperia Z4がアメリカで発売? なぜ日本では最新Xperiaが発売されなかったのか

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ソニーのスマホの最新モデル『Xperia Z4』は日本を代表するフラッグシップモデルだ。ところがアメリカで国内モデルよりも高性能な『Xperia Z4v』がこの夏に発売されることになった。

実は日本で発売中のXperia Z4は、海外では『Xperia Z3+』として販売されている。
つまり日本のXperia Z4は、海外では前Xperia Z3の改良版という扱いなのだ。

ではなぜ、日本ではXperia Z4vが発売されなかったのだろうか。


Xperia Z4は海外ではXperia Z3+として販売。Z3のマイナーチェンジという扱い?


Xperia Z4は、カメラ機能やCPU、メモリ、キャップレス防水など強化はされているが、ディスプレイは1920x1080ピクセルにとどまっている。一方、同じ国内販売のサムスン『Galaxy S6 edge』やLG『isai vivid LGV32』は、2560x1440ピクセルの高解像度ディスプレイを搭載している。

いまや海外のハイエンドモデルも2560x1440ピクセルのディスプレイ搭載が主流となりつつある。こうした機種と比べて国内のXperia Z4のディスプレイは大きく見劣りしてしまうが、最上位モデルということもあり大きな不満の声はあまり聞かれなかった。

ところが突如、アメリカ向けにXperia Z4vが発表された。
Xperia Z4vは見劣りしていたディスプレイを2560x1440ピクセルに強化し、ケーブルを繋がなくても充電できるワイヤレスチャージにも対応している。そのほかの機能はXperia Z4/Z3+とほぼ同等で、これならXperia Z3の進化形と堂々と胸を張ってアピールできる製品だ。

つまりXperia Z4vは名実ともにソニーのXperiaシリーズの最高スペックを誇るのである。
ならば誰もがXperia Z4vを、Xperia Z4として日本で発売して欲しかったと思うだろう。

ちなみに末尾の「V」は、アメリカのキャリアのベライゾンワイヤレス(Verizon)向けを意味しているおり、本モデルは同社の独占販売となっている。


ベライゾンから登場するXperia Z4v。Z4よりも高機能だ


日本は季節ごとにキャリアが一括して新製品を発表する。実は世界を見回しても、そんなことをやっているのはもう日本だけだ。海外ではメーカーから発表された新製品をキャリアが順次、販売していく。つまりキャリアは最新の製品を最速で利用者に販売できる。スマホメーカーもキャリアの発表会や販売スケジュールという、キャリアの都合でスマホを開発してはいないのだ。

国内のXperia Z4も、キャリアが発売日を先に固定しなければ、Xperia Z4v相当のモデルをアメリカ向けと同時に発売できたかもしれないのである。
日本市場は特にハイエンド・高性能モデルが好まれる。Xperia Z4が当初日本だけに発売されると聞いたとき、多くのXperiaファンは喜んだだろう。だがわずか数か月待てばそれよりも高性能なXperia Z4vが日本に投入できたかもしれないのだ。それだけに、多くのユーザーにはとても残念な結果になってしまっただろう。

今回の日本と海外での「Xperia Z4」でおこった不統一は、日本の携帯ビジネスモデルのマイナス面が表面化した一例だったのかもしれない。


山根康宏