“何となく目がかすむ”という時、単純に目が疲れているせいだと放置していませんか? 眼精疲労はかすみ目の原因ですが、思わぬ目のトラブルが原因で目がかすむ時もあるのです。ここでは、“目のかすみ”のさまざまな原因をご紹介します。

“目のかすみは”角膜炎の症状として現れることもある

目のかすみと一緒に目がゴロゴロする異物感や涙が止まらないなどの症状があれば、角膜炎になっているかもしれません。角膜炎は、まつ毛が眼にあったりするなど外部からの刺激で起こります。黒目の表面にある角膜が炎症を起こすと角膜炎になりますが、症状が進むと目が濁って目のかすみとなって現れます。

白内障でも目がかすんで見えにくい症状が起きる

白内障は水晶体が濁ってしまうことから起こる目の病気です。目のかすみと一緒に光がやけにまぶしく感じるようなら、白内障を疑ってみてください。ガラスを通して物を見ているように感じるのが特徴で、放っておくと物の形も分からなくなってしまいます。加齢による白内障も多いですが、糖尿病が原因で白内障になる場合、若くても発症し、進行が速く失明の危険もあります。

慢性の緑内障は気付きにくいので要注意

緑内障は眼圧が高くなって視神経を圧迫し、視野が狭くなるなどの症状が出る病気です。症状が進んでしまうと、狭くなった視野を取り戻すことはできません。目が疲れやすい、かすむ、曇りガラス越しに見ているような感じがあるなどの症状を感じたら、すぐに眼科の受診をおすすめします。緑内障には急性のものと慢性のものがあります。慢性型は5年〜10年かけて進行するので、発見も遅れがちです。健康診断で眼圧が高かった人や親せきに緑内障にかかった人がいる場合などは、発症の可能性が高いので注意が必要です。

脳や視神経のトラブルが“目のかすみ”となって現れることもある

私たちがものを見るシステムは複雑です。視神経のどこかがトラブルを起こしていることで、目がかすんでしまうこともあります。目から入った情報は、脳に感知されて初めて「見える」ので、脳のトラブルも“目のかすみ”の原因になることがあります。

p>“目のかすみ”の原因のほとんどは、目の使いすぎによる眼精疲労ですが、思わぬ病気が潜んでいることもあります。少しでも異常を感じたら、早めに医師の診察を受けましょう。


writer:岩田かほり