四街道vs八千代東
先発した相沢投手（千葉経大附）
昨秋の県大会では柏日体に完封勝利を挙げるなど、投手力の高さが光った四街道。この試合でも、安定した守備力、投手力を発揮した。
先発のマウンドに登ったのは、沢谷かおる（3年）。179センチ76キロと恵まれた体格をした投手。ワインドアップから始動し、左足を高々と上げた、右足はバランスよくたち、左足を大きく踏み込んでいきながら、上半身を鋭く旋回させたフォーム。バランスが取れた投球フォームで、打者寄りでリリースできるのも強みだ。常時130キロ前半のストレート、120キロ前後を記録するスライダーのコンビネーションでアウトコースを中心に八千代東打線を2三振を奪う上々の立ち上がり。ボールの質が良く、さらに速くなっていくような奥行きを感じさせ、より進化が楽しみな投手であった。
打線も沢谷を援護し、1回裏から4番齋藤寛仁（2年）の内野ゴロの間に1点を先制すると、2回裏には、無死満塁から9番沢谷の犠飛で1点、2つの敵失で2点を追加し、4対0とすると、その後も四街道は5回裏に3番綾部拓巳（3年）の右中間を破る三塁打、4番齋藤の適時打、5番志鎌龍臣（3年）の適時打で2点を追加すると、その後も一死満塁から代打・進藤優拓の2点適時打、再び敵失で、計5点を入れ、9対0に。
6回表には背番号1の藤野翔太郎（3年）が登板。168センチ62キロと小柄だが、バネの強さを感じる右腕。大きく沈み込み体全体を使うことを意識した投球フォームは、常時130キロ前後のストレートと曲りが鋭いスライダーを武器に1回無失点。まだリリースの時に強く押し込むことができず、本来のボールを投げられていないように感じたが、彼も体ができてくれば、140キロは期待できるだろう。
6回裏、四街道は永井智彦（3年）の適時打で、10対0として、6回コールドで四街道が勝利した。試合は思わぬ大差となったが、前半で失策絡みの点が多かったのが一つの要因になったかもしれない。四街道の2投手のレベルは県内でも高いものがあった。県大会でも注目を浴びる投手であろう。
(文＝河嶋 宗一)
