ウェストハムのアルゼンチン代表MFハビエル・マスチェラーノが出場機会を求めて移籍を志願している。ドイツ・ワールドカップで一躍注目を集めた22歳のボランチがイングランドに渡ったのは昨年の8月。同じアルゼンチン代表のFWカルロス・テベスとともに、ブラジルのコリンチャンスからウェストハムに移籍した。しかし、ロンドンの地でマスチェラーノに与えられた出場機会は、これまでわずか7試合。しかも、10月22日のトッテナム戦以降は、わずか6分間しかプレーしていない。半ば戦力外の扱いを受けているマスチェラーノは、移籍の必要性を訴えている。

「とにかく、ここから出たい。現状のままウェストハムに留まることは出来ない。僕はまだ若いんだ。試合に出なければ成長することは出来ない。ウェストハムでチャンスを与えられないのであれば、移籍するしか道はない…」

 しかし、マスチェラーノの移籍には大きな障害がある。FIFA(国際サッカー連盟)の定めるルールでは、7月1日から翌年の6月末日までの間で、1人の選手がプレーできるのは2チームまでと決められている。つまり、今シーズンすでにコリンチャンスとウェストハムで公式戦に出場しているマスチェラーノは、新天地への移籍が成立しても出場が認められないことになるのだ。ただし、各国協会からの要請次第では、FIFAが特例を認めるケースもあるため、移籍に向けた動きは水面下で活発化している。

 現在では、リバプールに加え、スペインのサラゴサが1月中の獲得に興味を示しているマスチェラーノ。プレーに飢えたアルゼンチン代表の移籍は、もはや秒読み段階と言えそうだ。