大納会で挨拶する西室社長(撮影:吉川忠行)

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東京証券取引所は29日午前、恒例の大納会で2006年1年間の取引を終えた。日経平均株価の終値は05年末より1114円40銭高い1万7225円83銭となり、年間上昇率は6.92%。前日終値より1円02銭(0.01%)高で小幅ながら4日続伸となった。東証株価指数(TOPIX)も前日終値比2円16円(0.13%)高の1681円07銭と4日続伸した。

 山本有二金融相と大リーガーの井口資仁選手を招いて開かれた大納会で、西室泰三社長は「東証は06年、しっかり努力してきた。まだハードルは多いが来年も乗り越えていきたい」と挨拶(あいさつ)。井口選手は、証取間での国際競争激化を野球の世界にたとえ「実力のあるものが生き残る大リーグのように、世界のマーケットの中で一流の証取になってほしい」とエールを送った。

 1万6361円54銭(05年12月30日終値比250円11銭高)で始まった今年の東京株式市場は4月、年初来高値1万7563円を記録。6月には1万4045円まで落ち込んだが、12月には終値ベースで約7カ月半ぶりに1万7000円台を回復した。

 東証を巡っては1月、ライブドアへの強制捜査を受け、同取引所開設以来初となる全銘柄での取引停止。全世界の取引に影響を及ぼすなど、“市場の番人”の信頼を大きく揺るがす幕開けとなった。12月には市場の担い手である大手証券会社の日興コーディアルグループの組織的な不祥事が明るみとなり、回復基調の証券市場に暗い影を落とした。【了】