26日、東京地裁に入る堀江被告。(撮影:吉川忠行)

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ライブドア(LD)事件で証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)の罪に問われた元社長、堀江貴文被告(33)の第8回公判が26日、東京地裁(小坂敏幸裁判長)で開かれた。検察側証人として出廷した元財務担当取締役、宮内亮治被告(39)=分離公判中=は弁護側の反対尋問で、検察側の主尋問と食い違った証言をし、弁護側が矛盾点を追求する場面が見られた。

 起訴事実にある出版社「マネーライフ」の買収について、宮内被告は主尋問では、2004年4月27日のLDグループの定例会議で「堀江被告にファンドで買収すると説明した」と証言していた。この点について弁護側はLDの幹部間のメールのコピーを示して、同年6月1日までライブドア・ファイナンス(LDF)が買収しようとしていたと指摘し真偽をただすと、宮内被告は「おかしいですね。ただ、ファンドで買うという話は出ていたと思う」と答えた。

 また、携帯電話販売会社「クラサワコミュニケーションズ」の買収で行き詰った際、宮内被告はエイチ・エス証券元取締役、野口英昭氏(LD強制捜査後に沖縄で死亡)に相談したと証言。「(野口氏は)ああそう、まずいね」と言っていたと語った。

 しかし、検察側の主尋問では、野口氏に相談に行ったLDF元社長、中村長也被告(39)から報告を受けたと証言。弁護側がこの点を指摘すると、宮内被告は「主尋問の方が正しい。きのうに引き続き、疲れているので」と述べた。小坂裁判長が自ら「でも、『ああそうなの』という言葉が印象に残ったと答えていたが」とただすと、宮内被告は「彼(野口氏)はよくそう言いますから」と答えた。
 
 この日の宮内被告は、弁護側の追求に言葉が詰まると、額に手を当て考え込む姿が見られた。「思い出せない」と答えたり、あいまいな証言を繰り返す宮内被告に対して、弁護側の高井康行弁護士は「当てずっぽうで答えるのはやめてくれ」「(検察の)調書を読まないと思い出せないというのがおかしい」と語気を強める場面もあった。

 宮内被告が検察側証人として出廷したのは、今回で4回目。次回は29日に行われる。【了】

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