6日、日本外国特派員協会での講演で、小泉首相の中東歴訪に期待感を示すパレスチナ自治区のワリード・アリ・シアム駐日代表(撮影:吉川忠行)

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中東・パレスチナ自治区のワリード・アリ・シアム駐日代表が6日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で講演し「パレスチナは国連に投票権を持たないが、日本の国連安全保障理事会入りを支持する。中国やアフリカなど世界各地を支援している日本にとって、中東に平和をもたらすことが(安保理入りの)大きなチャンスになる」と話した。

 軍事力で平和や民主主義を押し付けるのは、古いやり方であり、経済発展こそがこれらを達成する唯一の方法だと力説した。シアム代表は「パレスチナとイスラエルは、中立的な立場で両国を交渉のテーブルにつかせることができるのは日本だと同意している。他のロードマップなどいらない。日本に力を借りて、2006年末までにパレスチナ国家が樹立したい」と語った。

 また、シアム代表は「多くの国から支援を受けているが、日本からは毎年確実な額の援助があり、経済発展に役立っている」と感謝の意を示し、「来年始めに中東諸国を歴訪する小泉純一郎首相がパレスチナを訪れることは意義深い。日本企業がパレスチナに進出する第1歩になるだろうし、パレスチナのインフラ整備なども進む。ぜひガザも訪れてほしい」と述べた。

 パレスチナ自治区を分断する形でイスラエルが建設している分離壁について「04年7月に国際司法裁判所が占領地での分離壁建設は違法との勧告的意見を出している。イスラエルは国際人道法と国際人権法を侵害している」と語った。【了】

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