16日午前11時46分ごろ、宮城県を中心とする東北6県と関東地方で強い揺れを感じる地震があった。同県川崎町前川では震度6弱を観測、東京23区内でも震度4を観測した。

 震源地は宮城県沖で、気象庁は地震発生直後、震源の深さは20キロ、地震の規模を示すマグニチュードは6.8と発表したが、同日午後1時30分、震源の深さを42キロ、マグニチュードを7.2(暫定値)に変更した。
同庁は地震発生直後から津波への警戒を呼びかけており、同日午後0時12分ごろ、同県石巻市鮎川で10センチの津波が観測されただけで、午後1時15分に津波警報は解除された。

 宮城県危機対策課が発表した午後3時現在の同県内のけが人の数は7件、22人。

 震度6弱を記録した川崎町役場によると、強い横揺れを感じた。役場内では棚から物は落ちたが、数は多くなかったという。けが人が出たもようだが、午後0時20分現在、同役場に火災やけが人の情報は入っていない。

 震度5強が観測された同県石巻市の市役所では、発生時、棚から軽い物が落ちた程度だった。ガラスの破損も確認されていない。同市防災対策課によると午後0時40分現在、がけ崩れと落石が1件ずつ報告されている。旅館の壁が崩落したという報告もある。けが人や火災の報告は入っていない。同市内では6700戸が停電している。

 また、震度5弱の揺れがあった仙台市若林区新寺にあるホテル「ホリデイ・イン」で、総支配人秘書を務めている女性は、地震があったときは仕事中だったが「とっさにデスクの下に避難した」とライブドア・ニュースの電話取材に対して語った。同県では03年7月26日、マグニチュード6.4の宮城県北部地震があったが「この前はドーンという縦揺れだったけど、今度は横揺れで、いつまでも揺れが終わらず、すごく長く感じた」と恐怖体験を述べた。

 東北電力によると、この地震で宮城県と福島県で約1万7000戸が停電している。女川原子力発電所は1号機から3号機までが安全装置が作動して自動停止した。現在、安全を点検している。また、新仙台火力発電所2号機が手動停止した。

 この地震の影響で午後2時現在、東北・山形の両新幹線全線と秋田新幹線盛岡─大釜間で運転を見合わせている。また、秋田新幹線秋田─大曲間と同大曲─角館間で徐行運転している。
東京発仙台行きのやまびこ107号と、盛岡発東京行きのやまびこ52号が仙台駅付近で緊急停車し、乗客計約1050人が立ち往生した。JRでは、車外に乗客を誘導し、仙台まで線路わきを歩いて仙台駅に向かっている。

 また、東北道(浦和IC─加須IC、須賀川IC─森岡南IC)、磐越道(郡山東IC─磐梯熱海IC)、山形道(村田JCT─笹谷IC)、秋田道(北上JCT─北上西IC)、釜石道(花巻JCT─花巻空港)で午前11時50分より通行止めとなっている。【了】

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