小泉純一郎首相は2日、衆院予算委員会で、「靖国発言」など一連の問題で冷え込んでいる日中関係について、岡田克也民主党代表が見解をただしたのに対し、「一時の対立があっても乗り超えて友好関係を深めていかなければならない」と日中関係の重要性を強調した。

 岡田代表は、小泉首相の靖国神社参拝に関する発言が日中関係悪化を招いたと指摘。「このままでは常任理事国入りなどに影響し、日本の国益を損なう」と述べ、首相には打開策を示す義務があるとただした。それに対し、小泉首相は「日中関係は重視しているし、全体としては経済交流などが進んでいる。今は一部の対立があるが、乗り越えて友好関係を深めていく。それは両国の共通認識だと考えている」と述べた。

 郵政民営化問題について、岡田代表が「郵貯、簡保の約340兆円の大切な国民の資産をギャンブルには使えない」と述べ、「民営化で本当に採算が成り立つのか。絵空事ではないのか」と迫った。小泉首相は「民営化の方が事業を多様化できて国民の利便性を高める」と持論を繰り返すにとどまった。

 また、法案の採決時の党議拘束の有無について、小泉首相は「普通はかかっていない。かけるときにあえて言うのが慣例だ」とし、「いうまでもなく自民党の議員は良識 を持って賛成してくれると思う」と成立に強い意欲を示した。【了】