30日、バーレーン戦が大きなヤマ場になる

写真拡大

 25日、ワールドカップ・アジア最終予選の第2戦、敵地でイランと対戦した日本は1−2で惜敗した。この結果、B組はイランとバーレーンが勝点4で並び、日本は3位へと後退。日本にとっては30日に開催されるホームでのバーレーン戦が大きな意味を持つことになった。

 日本は序盤からリズムがつかめなかった。宮本が「(システムが)しっくりこなかった」と語るとおり、およそ1年ぶりに採用した4バックが選手たちの連携プレーに微妙に影響。攻撃の形を作れないままに25分、FKからハシュミアンの先制ゴールを許してしまう。先手を取られるのは今予選初。前半は1点のビハインドで終えた。

 今回、久々の復帰を果たした中田も、出来はいまひとつ。サイド、中央へと様々にポジションを変えたが、周囲とのコンビネーションがかみ合わず、苛立ちを見せる場面も。イランのチェックは激しく、中田のみならず、2トップ、あるいは中村、小野といったオフェンシブなプレーヤーはなかなか本来のパフォーマンスを発揮できなかった。

 それでも後半66分、いったんは同点とする。スローインを受けた中田がゴール前にロビングを供給。柳沢が競り合ったこぼれ球を、駆け上がった福西がダイレクトボレー。ゴール左スミへと突き刺した。

 とはいえ、ここから粘り強く戦えなかったのが、この日の日本だ。同点弾から9分後の70分、カリミのキープに中澤がつり出されたところ、手薄になったゴール前にセンタリングを送られ、ふたたびハシュミアンのヘディングシュートで失点。安定したディフェンスからゲームを組み立てていく日本にしては、守備の綻びがいつになく目立ってしまった。
 
 アザディスタジアムは10万人を越える観衆が終結。野太い声援は、威圧感があり、不気味でもあった。そんななかで、ジーコ監督は「選手は(雰囲気に)のまれずに、よくやってくれた」と話したが、日本が得意とする終盤のパワープレーも効果なし。柳沢、小笠原、大黒と持ち駒を立て続けに投入するも、ふたたび同点とするにはいたらなかった。

 今回の敗戦で、30日に控えるバーレーン戦は、勝点3が必須。イラン戦で不調に終わったシステムの選択、あるいは選手のメンタル面の建て直しが、大きな課題になる。

【日本代表の布陣】

     玉田     高原
  (61分/柳沢) (81分/大黒)

  中村           中田英

     小野     福西
  (78分/小笠原)

三浦    宮本   中澤    加地

         楢崎

※カッコ内は交代

【試合後のコメント】
◇ジーコ監督
「この試合は、われわれが当初思っていたとおり、決して簡単ではない、難しい拮抗(きっこう)した試合になった。イランは非常にいい形を作りましたし、日本もいい形を作った。ただ、イランの方がひとつ多くゴールに結びつけたということ。内容に関しては決して悲観すべきものではない。敗因は、ウチが1ゴール、相手が2ゴールを挙げたということ。スコアどおり、非常に内容も拮抗していましたし、イランもホームで全力を尽くし、ウチも全力で戦ったわけですが、やはりスコアがすべてを物語っているということです」

◇川淵キャプテン
「チームとしては中盤の守備、外からの攻撃など、展開は悪くなかった。ヒデも最初は右にいたが、左や中央へと自由に、伸び伸びとプレーできていた。課題としては外から中へともう少し早くボールを入れてもいい。また、中央の人数ももっと増やしたい。今日は相手も必死だったし、仕方がない。アウェーで善戦したと思う。次のゲームに期待したい」

◇小野伸二
「ロングボールが多く、日本の展開がうまくできなかった。つないでいけるところで、蹴ってしまっていた。相手がどうこうより、自分たちのコントロールができていない感じ。悪い形でボールを取られることがけっこうあったのもリズムがつかめなかった原因だと思う。(イエローカードは)くだらないものだった。触ってないですけど。まだ、予選は終わりではないし、切替えていくことが大切。次は出場できないが、日本が勝つよう応援してます」