幸薄い役をやらせたら、今や右に出るものはいない、木村多江。そう言われるのが光栄だと微笑む彼女だが、実はその“薄幸の役者人生”を予感させる出来事が、小学校1年生の時に起こっていたのだ。それは習っていたクラシックバレエの、初舞台での話である。楽しみにしていた木村に与えられた役は、“瀕死の白鳥”だった。当時小学1年生だった彼女は“瀕死”の意味がわからず、何となくヨタヨタと踊っていたらバレエの先生にこっぴど