「ドーン!」――。すでに午後10時半ごろだった。住宅地にある廃品回収業者の店舗前で、閃光と共に大音響がした。大きな物体が打ち上がった。放物線を描いて、夜空を飛んだ。業者は無資格で、回収したドラム缶の切断作業をしていた。楚州都市報が報じた。

 爆発が発生したのは3月31日。湖北省武漢市湖北省武漢市〓口区内の集合住宅前だった。同住宅建物1階には廃品回収業者が入居していた。店舗奥では業者の家族5人が生活していた。(〓は石へんに「喬」)

 午後10時半ごろと、かなり遅い時間だったが、経営者はドラム缶の切断作業をしていた。いきなり爆発した。高さ1メートルあまりのドラム缶が吹き飛んだ。放物線を描き、約20メートル先に落下した。

 ドラム缶は油性液体の容器として使われたものだった。内部に揮発した可燃性のガスがたまっている状態で切断しはじめたため、引火して爆発したとみられている。

 警察の調べで、経営者は作業に必要な資格を取得していなかったと分かった。警察は「消防法違反」として、経営者に行政拘留15日間の処罰を適応することに決めた。

 経済構造の転換の一環として資源循環型の社会を目指している中国では、廃品処理/回収業者もこれまで以上に目立つようになった。一方で、業者の杜撰(ずさん)な作業や規則違反などによる事故も、しばしば報じられている。ドラム缶を爆発させた業者は、湖北省孝感市内から約半年前に省都の武漢市にやってきて、廃品回収店を開いたという。

 同爆発では経営者や同居していた家族を含め、死傷者は出なかった。(編集担当:如月隼人)