インフルエンザ予防接種 受ける? 受けない? いつ受ける?

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この季節になると話題になるのが、インフルエンザの予防接種だ。任意接種でお金がかかる、副作用が怖い、実際に効果があるのか?、毎年受けるか受けないのかということも話題になる。

最近、ネット上ではインフルエンザの予防接種は受けるな!と言い切っているサイトも登場しており、頭を悩ませる人も多いだろう。

●予防接種は受けている人はどのくらい?
雪印メグミルクが行った「インフルエンザ予防対策に関する意識調査」では、昨シーズン予防接種を受けた人は25.5%。この調査は、全国の20〜60代の男女2,401名を対象に、インターネットで実施されたものだ。これによると、予防接種を受けたのは全体の約1/4程度ということになる。受けた理由については、「学校・会社などで勧められたから」が最多で26%だった。

これに対し、受けなかった人の意見で一番多かったのは、「高価だから」の29%。そのほか、病院に行くのが面倒、時間がない、注射が嫌い、副作用が怖いといった、予防接種という行動自体に抵抗を感じている人もたくさんいる。

確かにインフルエンザの予防接種の料金は高い。1回3,000円以上するし、小学生まではこれを2回打たなくてはならない。小学生以下の子どもが2人いる家庭なら、1家族で2万円ほどもかかってしまうわけだ。

もちろん病院に行くのも面倒だ。この日!と思っていても、子どもが熱を出していれば受けられないし、実に予定が立てにくい。

●受ける方がいいの? 受けない方がいいの?
実は、インフルエンザワクチンには感染を予防する効果はないと言われている。
ではなぜ受けるのか? 
それは発症率が減るからだ。そして重症化する危険性を下げることができるからだ。確かに予防接種を受けたものの、インフルエンザにかかることはあった。しかし、あまり熱も上がらず、関節が痛くもなく、熱自体も長続きしなかった。これがワクチンのおかげだということなのだろうか。

しかし、反対派の意見を見ていると、感染は防げないから流行は阻止できないとか、重症化でよく言われる脳症とインフルエンザとの関連ははっきりしているわけではないとか、反論が書かれていたりする。
それどころか、副作用が怖いとか、ワクチンを不活性化するためにホルマリンが入っているから有害だとかいう話もあったりして、なんだか不安になってくる。

こうも正反対の意見があると、受けるか受けないか、本当に悩んでしまう。
どちらにせよ、結局は、受ける・受けない側の自己責任ということになるのだろうか。

●受けるとしたらその時期は?
では、受けるとしたらベストな時期ってあるのだろうか? インフルエンザの予防接種は、10月ごろから受付を開始する病院が多い。だからといって、さっさと済ませてしまった方がいいというわけでもない。

インフルエンザの流行は、だいたい12月〜3月、ピークは1月〜2月くらいと言われている。予防接種をしてからワクチンの効果が出るまでには約2週間かかる。しかも効果があるのは3〜5ヶ月間だ。

これらのことを踏まえて考えると、だいたい11月半ばくらいに受けるのがいいということになる。

小学生以下の子どもの場合は、2〜4週間くらい間をあけて2回摂取する必要があるから、そのことも考慮に入れておこう。受験生の場合は、1〜2月の受験シーズンはもちろん、その前の追い込みの時期も大切なので、遅くとも11月中には受けるようにしたい。

ちなみに厚生労働省のサイトでは、インフルエンザワクチンの予防接種には、発症をある程度抑える効果や重症化を予防する効果があるので、高齢者や基礎疾患のある人など、重症化する可能性が高い人には効果が高いと考えられると書いてあった。

ここでも「受けましょう!」となっているわけではないのが歯がゆい。受ける・受けないは、個人個人で考える、結論を出すしかない。

とりあえずは、うがい、手洗い、マスクの着用などといった予防対策をしっかりするのが先決なのかもしれない。