画像は「Johnny's net」TOKIOプロフィールより

写真拡大

 今年で37回目を迎える『24時間テレビ「愛は地球を救う」』(日本テレビ系)がスタートした。目玉企画であるチャリティマラソンの今年の走者は、TOKIOのリーダー・城島茂。今年で43歳の城島が、多数の"実況者"の監視の下、どこまで走りきれるのかがすでに大きな関心を集めている。

 この城島の挑戦もそうだが、今年はTOKIOイヤーともいえるほど、TOKIOが"ブレイク"を見せている。先日、参戦した夏フェス「JOIN ALIVE」や「サマーソニック」では、ジャニーズとは思えない野太い声援があがり、男性からの支持も高いことを実証。ネット上の人気も異常で、『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演すれば「Mステで農業アイドル『TOKIO』が副業してるwwww」とスレッドが立つほど。今回のチャリティマラソンも、「もしや道路敷設からやるのでは?」と雑誌に書き立てられたほどだ。

 しかし、TOKIOが"農業アイドル"と言われるのもよくわかる。現在、『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)で進行中の「世界一うまいラーメンつくれるか!?」という企画でも、まさかの麺の原材料となる小麦のタネを探すことからスタートして、期待通り、慣れた手つきで土地を耕してタネを蒔いた。先日の放送では、城島が小麦の茎を指でならし、その音だけで「(茎が)細いぞ」と判断。DASH村で経験した麦を丈夫に育てるための「麦踏み」を実践するなど、その行動はすでに"プロの犯行"だった。

 実際、TOKIOも"農業アイドル"の自覚があるようで、『ザ!鉄腕!DASH!!』の「出張DASH村」で野良仕事をした際には、城島と山口達也が「久々のクワだな」「年末は俺たち楽器持ってたからな」「こっちのほうが落ちつくな」と会話するなど、ネット上の"本業・農家、副業・大工、趣味・アイドル"という通説を認める(!?)ような発言も行っている。

 たぶん世界初、前代未聞の第一次産業アイドル──。ジャニーズとしては想像もできないかたちでブレイクしてしまった彼らだが、しかし、デビューから20年、その道は決して平坦なものではなかった。じつはTOKIO、シングル曲でオリコンチャート1位をとったのは、デビューから7年後のこと。ブレイクまで時間がかかったとして知られるSMAPでさえ3年で1位を獲得していることを考えると、ジャニーズにとっては"異例"の事態だ。それでも、彼らはあっけらかんとしたもので、「日経エンタテインメント!」(日経BP社)8月号のインタビューでも、松岡昌宏は「でもさ、それがまたTOKIOっぽいのよ」と語っている。

 しかも、ファンならばよく知られた話だが、現在のTOKIOは"原則自分たちで全楽曲を書いている"。じつはメンバー全員が作曲することができ、メンバーがつくってきたデモテープからシングル曲を決定。そして、"TOKIOサウンド"を統一するべく、長瀬智也がサウンドプロデューサーをつとめ、アレンジの方向性を決定している。最新シングル「LOVE, HOLIDAY.」も、作詞・作曲はおろか、編曲まで長瀬が手がけているのだ。──「Switch」(スイッチ・パブリッシング)Vol.32のアンケートでは、メンバーが長瀬とはじめて会ったときの印象を「アホな子」(山口)、「長瀬はアホ、それ以外何もない(笑)」(松岡)、「単なるアホな子」(国分太一)と、見事にアホな子呼ばわりされていたが、いまでは立派なミュージシャンに成長したというわけである。

 自分たちが表現する音楽は、自分たちでつくる。このスタイルについて長瀬は、「音にしても自分たちで演奏するからこその人間っぽさがある。バラエティ番組でも土にまみれながらいろいろゼロから作ってるしね(笑)」と言う。『ザ!鉄腕!DASH!!』での経験は、農業技術の習得だけではなく、音楽にまで影響を与えていたのだ。

 さらに驚くべきは、前出の「日経〜」の記事によると、DASH島で半年かけて古井戸を見事に再生させた模様を番組プロデューサーがスペシャルで放送すると伝えたところ、メンバーからこんな言葉が返ってきたことだ。

「あんなのテレビで放送できるの?」

 テレビで放送しないんだったら、何のためにアイドルが半年も井戸修復やってんだよ!と逆に尋ねたくなるが、プロデューサーは「いい意味でテレビ用に動いてないことが、映像の説得力や求心力につながっているんじゃないでしょうか」と述べている。

 それもそのはずだ。福島第一原発の事故で立ち入り禁止の「帰還困難区域」となってしまった浪江町のDASH村も、はじめは荒れ放題の土地にぼろぼろの民家が一軒建っていただけだった。それを、先日逝去された三瓶明雄さんら協力のもと、TOKIOは自然と人間が共存する豊かな里山へとよみがえらせた。伝統的な農法やものを大切にする精神、虫や植物たちが果たす役割、さまざまな職人たちの知恵と技......。そこには、バラエティ番組の枠を超えて奮闘し、開拓することの楽しさをTOKIOが体現していたからこそ生まれた"感動"だった。

 DASH村でやしなわれた、TOKIOの魅力──。おのずと今回のチャリティマラソンにも注目は集まるが、さて、リーダーは無事にゴールできるのか......。松岡いわく、「この人はね、年に1、2本ホームラン打つの。あとは全部空振りなんだけど(笑)。でもこの人のホームランはすごいの」(前出「日経〜」インタビューより)というから、ぜひ場外級のサプライズを期待したいところだ。

 ただし、長瀬によれば、昔、「社会に貢献するみたいな企画なのに、リーダーが屁ぇこいてた」こともあるのだとか。感動のゴールインで放屁......それもTOKIOらしくて、じつに面白そうではある。
(サニーうどん)