試合終盤、攻撃陣を増やすパワープレーに出る場面もあった (撮影/岸本勉・PICSPORT)

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ブラジルW杯グループステージ第2戦。日本は10人のギリシャと0─0で引き分けた。優勝を公言している中での、2戦を終えて勝ち点1、自力での突破の可能性はなくなってしまった。

本当に未熟で残念な試合だった。早々に10人になった相手に対して、崩す術を持たず、工夫も感じさせず、最後には1戦目とまったく同じパワープレーという愚策すら繰り出した。この勝負の一戦に、90分保たないと分かりきっている選手を先発させたのも疑問だ。ザッケローニ監督の引き出しは完全にカラッポになってしまったようだね。
 
この試合を見て、落胆した人も多いだろう。もっと強いと信じていた代表チームが、ほとんどまったく何もできぬまま90分を終えたのだから仕方ない。けれど、これがこのチームの本来の実力だと思うね。海外組ブランドとスター報道で、さもW杯優勝が本当に可能かのように思われている我らが日本代表の戦いぶりは、他の国と比べてどうだろうか。今大会の他の試合を冷静によく見てほしい。そこには歴然たる実力差があるよね。
 
日本代表は過保護にされてきた分、期待も大きい。しかしここまで行われた今大会の試合の中で、日本の試合は客観的に見て一番つまらないし、そのゲーム運びは最も未熟で、個々に目を向けても、他のどの国よりも走っていない。端的に言って、世界と戦うレベルになかったことが白日の下にさらされている。ギリシャ戦の結果は驚きでもなんでもない。懸念していたことがそのまま表れてしまっただけだ。

3試合目のコロンビア戦は、まず勝利が絶対条件で、ギリシャがコートジボワールに勝利するという他力の要素も入る。まだ可能性はあると目を輝かせて騒ぐのもけっこうだけど、メディアも含めて、常にそうした盲目的な姿勢で日本代表が語られてきたことに、今回の根本の一つがあるとも思うね。コロンビアは、メンバーを落としても日本より強いよ。グループ突破は文字通り奇跡だろう。
 
もうそんな勝ち点計算などいいから、とにかく勝って帰ってきてほしい。2敗1分けでブラジルを去るのは、日本サッカーそのものに対して影響が大きすぎるよ。