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ふだんとちょっと違うらしい"昼間のパパ"…全く見る機会のないまま大人になってしまったが、最近は「子ども参観日」を行っている企業があるらしい。ハンバーガーチェーンのモスバーガーを展開するモスフードサービスもそのひとつで、社員のお子さんを会社に招待して、パパ・ママの働く姿が見られるというのだ。

○トレーニングセンターでお店の裏側を体験

8月8日に実施した「子ども参観日」に出席したのは、モスフードサービス本社で働くパパ・ママを持つ、小学2年生〜5年生のお子さん11人。まず会議室でモスバーガーの説明とクイズを実施。オフィスをひとまわり見学して、トレーニングセンターへむかう。実際の店舗と同じくキッチンやレジを備えた施設で、普通は見ることのできない店の裏側に子供たちは大興奮! 焼きたてのバンズを食べて「熱い!」「おいしい!」と口々に叫んだり、見るものすべてに目を輝かせていた。そしてレジでは我先にと群がって注文ボタンを押しまくり! 総額は一体いくらに…。「えびバーガー147個も頼んじゃった!」とむじゃきな声が上がっていた。

○親の上司と名刺交換&インタビュー

一度会議室に戻ると、次の訪問先に備えて、名刺交換のレクチャーを受ける。そう、この後子供たちはそれぞれパパ・ママのデスクに行き、親の上司と名刺交換をしなければいけないのだ。この行動いかんで出世に関わる可能性も…と考えていたかはわからないが、真剣な面持ちで名刺交換の練習にはげんでいる。

海外事業部で働くママの元へ行ったりくと君は、海外商品事業部の部長と名刺交換の後、ふだんのママの仕事についてインタビューを決行!

りくと君「お母さんはどんな仕事をしているんですか?」

部長「海外の商品のメニューを作ったり、工場に食材を作るお願いをしたりしているよ」

りくと君「仕事で大変なことは何ですか?」

部長「いろんな国の人と話をして、メニューを考えること」

子供と上司が会話しているのを、デスクで仕事をしながら見守るお母さん。立派にインタビューを終えたりくと君に、会社で見たお母さんの姿について感想を聞くと、「ちゃんとしてた」という答えだった。とても男の子っぽい。更に社内でいろんな人と名刺交換をすると、だんだんオフィスにも慣れてきた様子だった。

○親の上司と名刺交換&インタビュー

個別にわかれて親のデスクへ行った子供たち。オフィスではかなり緊張した様子だったが、いったいどんな感想をもったのだろうか? せっかくなので、それぞれに聞いてみた。

Q.パパ・ママの様子はどうでしたか?

「家よりか、かっこよかった」

「お父さんは外回りに行ってた」

「ママは会社でいつも怒られてるって」(本当は怒っている方らしい)

「会社のお金がなくなったら大変だって言ってた」(財務グループのお母さんを持つお子さん)

Q.今日はどうでしたか?

「楽しかった」

「大人たちがにやにや見ていて、こんなに注目されることなかった。何かほこらしげだった」

「ハンバーガーをつくるの、やってみたい」

Q.将来の夢はありますか?

「モスバーガーの店長になりたい」(七夕の短冊にも書いているそう)

「スーパーバイザーをやりたいと思った。試食できるから」

「考古学者」

「野球選手」

小学5年生のそらささんは「野菜を育てるときに、もっとぴしっと"こうやってください"って言うのかと思ったら、相談しながらしているときいて、びっくりした」と仕事についてかなりつっこんだ感想。みなさん、自分の親の働いている場所に来て、思うことがあったようだ。

今回の取り組みについては、家庭と企業が離れてしまうことに対して、何かできることはないか…と始めたものだそう。参観日をきっかけに、家でも親と子供が仕事の話をするようになり、子供が将来の仕事選択について考える刺激になることを狙っているという。話をきいた子供たちの答えを見てみると、その狙いは達成されていそうだ。きっと、思い出に残る1日になったことだろう。

(目黒せつこ)