アベノミクスは脱デフレがテーマ

不動産
ケネディクス(東証1部・4321)
552円/100株 5万5200円
不動産投資ファンドの最大手で、受託資産は1兆円を突破した。アベノミクス相場開始以来、運用先を不動産に求める資金が膨らんでいる。本格的な増益は来年以降か。

安田倉庫(東証1部・9324)
956円/100株 9万6500円
旧・安田財閥系でバックはみずほグループ。老舗企業だけあって、便利な場所に低簿価の物件を保有し、資産の質でも申し分ない。中国での倉庫増設など成長への布石も着々と進む。

日本駐車場開発(東証1部・2353)
8370円/1株 8370円
社名の通り、駐車場を開発・運営する会社。物件が都市部に集中している。スキー場の買収も積極化しており、安く買える今が勝負か。拡大路線だが、有利子負債は低水準だ。

輸出
日産自動車(東証1部・7201)
1048円/100株 10万4800円
10万円株の王道銘柄。海外売上高比率はトヨタ自動車を抜いて8割に達している。三菱自動車との提携による軽自動車事業も急成長が期待されている。

金融
三菱UFJフィナンシャルグループ(東証1部・8306)
638円/100株 6万3800円
10万円で買える時価総額最大銘柄がこの株。景気回復による融資拡大や担保価値上昇、円安による海外投資案件の評価額増大など、アベノミクスが成功すれば恩恵は多方面に。

ライフネット生命保険(東証マザーズ・7157)
809円/100株 8万900円
ネット証券やネット銀行があるように、こちらはネット専業の生命保険会社。営業社員のハードな勧誘がないのが若年層を中心に受け、保有契約高は順調に拡大している。

アコム(東証1部・8572)
3450円/10株 3万4500円
かつて消費者金融への規制強化で痛手を被ったが、ようやく復調してきた。低金利で資金調達コストが減少。個人の消費意欲回復を反映し、融資残高が再び拡大トレンドに入ると予想される。

設備投資
三菱UFJリース(東証1部・8593)
495円/100株 4万9500円
リース業界大手。顧客企業の目線では、三菱東京UFJ銀行の別動隊という位置づけか。財務体質のよさは業界随一だ。15期連続増配予定は証券各社のレポートなどで話題に。

公共投資
三井住友建設(東証1部・1821)
87円/100株 8700円
橋梁とマンション建設に強い三井住友系の中堅ゼネコン。国内で不採算案件の受注を減らして利益率を高める一方、海外事業も着実に拡大させている。

消費
三越伊勢丹ホールディングス(東証1部・3099)
1406円/100株 14万600円
今春から高額商品の動きが急に活発化。当初は三越の旗艦店である日本橋本店だけが活況だったが、他店の売り上げも上向いており、今期中の上方修正の可能性が出てきた。

えっ? これもアベノミクス関連銘柄?

身近な消費
スターバックス コーヒージャパン(ジャスダック・2712)
8万7200円/1株 8万7200円
低価格店に流れた客が戻ってくる可能性あり。高級住宅地で知られる東京・世田谷で高価格店をテスト運営し、1人当たり単価アップの上限を探っている。通常店も積極的に出店中だ。

プチバブル
ノバレーゼ(東証1部・2128)
672円/100株 6万7200円
結婚式場を全国大都市圏で運営。脱デフレで「地味婚」ブームが去って披露宴などに充てる予算が上昇すると、この会社の利益率も上昇する。不況期でも連続増収だった。

ひらまつ(東証1部・2764)
805円/100株 8万500円
高級フレンチを展開。知名度と各店舗に行き届いた質の高いサービスで、リピート客をがっちりつかんでいる。外食消費は涼しくなってからが勝負で、秋以降の月次動向に期待大。

人材を発掘
リンクアンドモチベーション(東証1部・2170)
3万1550円/1株 3万1550円
人材採用に関連する仕事が得意な経営コンサルティング会社。パソコン教室「アビバ」も運営している。雇用の回復もアベノミクスの重要な柱。企業に余裕が出てくると、次は採用増加だ。

広木隆
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

国内銀行系投資顧問、外資系運用会社、ヘッジファンドでファンドマネジャー等を歴任。独特の語り口が魅力の「ストラテジーレポート」には熱狂的ファンが多い。



この記事は「WEBネットマネー2013年9月号」に掲載されたものです。