インテルにワルテル・マッツァーリ監督が就任した場合、補強に関しても方向性が変わるだろう。4-3-3をやるのに理想的なサイドアタッカーやウィンガーの獲得はストップとなり、5人の中盤のサイドハーフの獲得が進められることになる。攻守ともに走れる選手だ。

マッツァーリ監督が率いていたナポリには、MFクリスティアン・マッジョとMFフアン・スニガがいた。獲得候補となるのは3名だ。前述のスニガ、ユヴェントスMFマウリシオ・イスラ、ウディネーゼMFドゥシャン・バスタである。

スニガはMFフレディ・グアリン、チームマネジャーのイバン・コルドバと同じコロンビア人だ。27歳で運動量があり、相手を抜くことができる。マッツァーリ監督のお気に入りの一人だ。だが、先日から彼にはユヴェントスが関心を示している。それでも、インテルはナポリのアウレリオ・デ・ラウレンティス会長に打診したようだ。

スニガとナポリの契約は2014年までだが、ナポリは1000万ユーロ(約13億円)を求めている。インテルには高すぎる金額だ。だが、マッシモ・モラッティ会長とデ・ラウレンティス会長の良好な関係、マッツァーリ監督の希望などから、ユヴェントスを出し抜く可能性はあるかもしれない。左サイドでは、右サイドでもプレーできる長友佑都は残る。MFアルバロ・ペレイラは分からない。

イスラは逆に右サイドの選手だ。MFクワドゥオ・アサモアとともに、1900万ユーロ(約25億円)でユーヴェに加入した。ユーヴェは両選手の完全移籍にあと1900万ユーロを払わなければいけない。つまり、イスラの価値は約2000万ユーロ(約26億円)ということだ。

ユヴェントスのアントニオ・コンテ監督は、少なくとも1年前からインテルDFアンドレア・ラノッキアを望んでいる。彼は1800万ユーロ(約23億7000万円)だった。そこで、ラノッキアとイスラのトレードを勧める声もあるようだ。だが、ラノッキアは「マッツァーリ・インテル」の中心的役割を担うかもしれず、またマンチェスター・ユナイテッドが調査しているとの噂もある。つまり、まだどうなるか分からないということだ。

いずれにしても、イスラは「去就については代理人とユーヴェが考える。イタリアやスペインから重要なオファーを受け取っているよ」と話している。その一つが、インテルということだ。なお、スペインの一部メディアは、エスパニョールMFワカソ・ムバラクにインテル、ルビン・カザン、エヴァートンが興味を寄せていると報じている。だが、インテルにとってはEU圏外選手であることが難点だ。

インテルのバスタに対する関心は今に始まったことではない。ウディネーゼがMFマルコ・ファラオーニをインテルと共同保有していることも忘れてはいけない。28歳のバスタは中盤5枚のサイドハーフとして理想的だが、4バックのサイドバックとしては効果が弱まる。つまり、「マッツァーリ・インテル」にとって完璧であり、監督も気に入っている選手だ。マッツァーリ監督が理想とするのが、マッジョであることに変わりはない。だが、ナポリは同選手を手放したくないと思っている。