中盤までは緊迫した投手戦だった。バリントンは相手打線の早打ちもあり、5回を47球で投げ切るテンポのいいピッチング。しかし相手ルーキーの井納が予想以上にまとまっていた。140km中盤の速球にスプリット、スライダー。チャンスは作るがエルドレッドが内角直球に抑えられるなど、ポイントゲッターを封じられる。

 1点ビハインドで迎えた6回表、二つのプレーが流れを変えた。一死から今日五番の松山の打球はレフトフライ。しかしこれをラミレスがグラブに当てながら落球、ツーベースとなってチャンスが転がり込む。ここで打席には堂林。サード中村が下がっているのを見て、意表をついたセーフティバント成功。気落ちするルーキーにたたみかける攻撃でチャンスを広げると、安部、石原の下位打線が連続タイムリーを放って逆転に成功。

 さらに7回表、100球を超えた井納に疲れが見える。丸の足も警戒して制球を乱し、内野安打からの連続四球で一死満塁、打席には再び堂林。初球の真ん中低め150kmを逆方向、鮮やかに右中間を割った。試合を決める2点タイムリーツーベース。

 8回にもボークで1点を追加すると、援護を得たバリントンは最後までテンポを乱さず安定した内容。9回にヒット2本を浴びて完投こそ逃したものの、110球で8回2/3を1失点。最後をミコライオが締め、逆転で3連勝。借金を1とした。バリントンが2勝目、ミコライオは2S目。

 今日も2盗塁を決めた足技に、堂林のセーフティバントという小技。ルイスと栗原がまだ上がってこないが、いい攻撃を見せている。一方の横浜は昨日に続いて守備のミスが目立った。明日は野村と小杉の予告先発。野村もこの勢いに乗って欲しい。