「人種差別への容赦はあり得ない。一切容赦しないことが必要だ」

FIFAのゼップ・ブラッター会長が『ナショナル』で、ブスト・アルシーツィオで起きたミランとプロ・パトリアの練習試合における人種差別問題について言及した。

同会長は「今回のことは、観客が良い振る舞いをしなければいけないということを示している。そうでなければ、選手たちがピッチから去ってしまうからだ。侮辱とともに続けることはできない」と述べた上で、ミランMFケヴィン=プリンス・ボアテングがしたように、プレーをやめてピッチを去るのは最善策ではないと続けている。

「イタリアサッカー連盟からはまだ詳細報告を受けていないが、解決策ではないと思う。選手が去ることはできないと思うね。そうじゃなければ、不戦敗になるからだ。とてもデリケートな問題だよ。繰り返す。容赦はしない。唯一の解決策は、厳しい処分を科すことだ。減点処分や、似たような処罰が必要なんだよ」

一方、ミランは6日のシエナ戦で、全選手がウォームアップの際にイタリア語と英語で「ミランは人種差別に反対」と書かれたTシャツを着用し、差別に対するシンプルだが明確なメッセージを送った。サン・シーロの観客はチームに拍手を送り、MFケヴィン=プリンス・ボアテングには特に大きな拍手が送られた。

試合後、ボアテングは5日のラツィオ戦で標的にされたカリアリFWビクトル・イバルボに対し、「僕らが侮辱されてピッチを去った2日後に人種差別チャントを聞くなんて、悲しいことだ。とても悲しいことだよ!」と連帯の意を示している。

また、ミランは「国内外の各スポーツ関係機関に、適切で有効な対策を講じるよう求める」と声明を発表。マッシミリアーノ・アッレグリ監督は会見で、「我々はシグナルを発することに決めた。しかるべき者がルールをつくり、しかるべき人間に試合続行か中断かを決められるようにすべきだ」と語った。

キャプテンのマッシモ・アンブロジーニも「統一したルールが必要だ。イタリアにはシステムがあるけど、ヨーロッパではそれが異なる」とコメント。FWジャンパオロ・パッツィーニは「ブラッター会長なんて誰が気にするさ」と冗談を交えつつ、「シグナルを出すのは正しいことだった。でも、僕らはこれについて騒ぎすぎた。そうすることで、人種差別主義者たちをあまりに重要なものとしてしまう」と話している。