オタクの街といえば、やっぱり今でも“ここ”ですね。

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オタクというと、その言葉が出現した頃には男性のイメージのほうが強かった気がするが、いまは女性のオタクが相当数いる。
自分の周りにも、寝る間も惜しんで常に目を充血させ、体調も崩して、オタク活動に勤しんでいる女性たちがいて、そのディープさたるや、男性には引けをとらないように思う。
もしかして女性のオタクのほうが多いのではないかと思うほどに……。

そんな話をしたところ、あるグッズ関係者がこんな話をしてくれた。
「男のオタクと女のオタクは、どちらが多いとか、どちらがディープかとかではなく、『質』が違うんだと思います。例えば、男は、可愛い女の子キャラの抱き枕などが、9000円もする高級商品でも買います。逆に、高級だから買うところがあって、素材へのこだわりなどが強いから、ポリエステルなどチープな素材で低単価にすると、売れないんです」

一方、女性にはこうした高級なグッズはなかなか売れないと言う。
「女性はリアリストのせいか、CDなどの3000円〜4000円のものが単価としてはMAXで、よく売れるのは300円くらいのクリアファイルなど。女性の場合は、こまごましたものをたくさん欲しいんです」
女性のほうが、金額をシビアに見る面はあるそうだ。
では、男性のほうが金額でなく、クオリティ重視ということ?
「クオリティ云々というよりも、男性はもっと感覚的で、単純に『好き嫌い』なんだと思います」

他にも、男性と女性で、異なる面はたくさんあるそうだ。
たとえば、女性の場合は、「好きなもの(人)」があると、関連するものにどんどん枝葉を広げていく傾向があるのに対し、男性のほうが狭く特化しているなどの傾向があると言う。
「また、アニメオタクの場合に、男性は、キャラが好きだったら、声優が合わないと思っても、それはそれである程度許容しますが、女性の中ではキャラと声優との一体感が強く、声優がかなり大事な部分を占めているようです」

「好きなキャラ」についても、男性はキャラ単独が好きなのに対し、女性はキャラ同志の関係性や背景、物語性などを重要視すると言う。
「女性はキャラ同志の『関係性』を外から眺める・見守るのが好きで、そこに自分は置いていないことが多いと思いますが、男性は逆に、『関係性』など求めない。おそらく男性の方が、キャラ単独に対する独占欲が強いんじゃないでしょうか」
ちなみに、女性にも「美少女キャラ」好きのオタクは多数いて、そうした層は男性と同じく「キャラ」単独が好きで、高額商品も購入するそうだ。

「メイド喫茶」などのオタク文化が巨大ビジネスになった挙句、ブームが終焉し、サブカルが全体に下火になっている印象のある昨今でも、好きなものへの情熱が消えたわけじゃない。男性と女性とで愛で方に差はあれど、オタクはまだまだ健在のようです。
(田幸和歌子)