平清盛もやっていた!? 「バックギャモン」がブームの兆し




古代エジプトやギリシアから、時代を超えて世界中で楽しまれてきたボードゲーム「バックギャモン」。日本でも、「西洋すごろく」「盤すごろく」の名で奈良時代から親しまれてきました。実は、大河ドラマ・平清盛の画面にも頻繁に登場しています。ネットゲームの普及もあり、新たなブームの兆しです。バックギャモンの歴史や楽しみ方などを日本バックギャモン協会の林昌昭さんにお聞きしました。



■知る人ぞ知る、頭脳派ボードゲーム



――世界で最も遊戯人口が多いボードゲームであるバックギャモン。その数は3億人と言われいます。皆さん、ご存じでしたか? かく言う筆者も、最近までその存在を知りませんでした。バックギャモンとは一体どんなゲームなのでしょう?



「バックギャモンは2人で遊ぶボードゲームです。すごろくのようにサイコロの目によって動くので、ゲームに弱い人でも勝つチャンスがあることが特徴です。マス目の数は全部で24。自分の15個のコマを全部先にゴールさせた方が勝ちになります」(林さん)



――囲碁や将棋、あるいはオセロと似ているのでしょうか?



「頭で戦略を組み立てながら遊ぶボードゲームという意味では一緒ですね。実際、バックギャモンの愛好家には、将棋や囲碁の棋士も多くいます。例えば、将棋の羽生善治九段や囲碁の武宮正樹九段。また、芸能人の楠田枝里子さんや石田純一さんもバックギャモンをされます」



筆者も実際に遊んでみて以来、かなりハマっています。動画サイトでもゲーム風景が公開されていますので、チェックしてみてください。



■古代エジプトのクレオパトラや、平清盛、清少納言も遊んでいた!



――大河ドラマ・平清盛の画面にも、バックギャモンが登場します。日本にも、昔からあったということですよね?



「日本には、『盤すごろく』という名称で飛鳥時代に入ってきたようです。枕草子にもゲームに興じる場面が登場しますし、徒然草に至っては、ゲームの名人に人生哲学を教わるくだりまであるんです」



――バックギャモンの起源はどこなのですか?



「古代エジプトのセネトと呼ばれる遊戯盤が起源と言われています。カエサルとクレオパトラが遊んでいたという記録も残っているのですよ。ちなみに、バックギャモンに欠かせない道具のダイス(サイコロ)。これはバックギャモンのために作られたと言われています」



カエサルがローマ進軍時に発した名ぜりふ、「賽(さい)は投げられた!」はバックギャモンがルーツだったのですね。なんとも壮大な話です。



■2009年、2011年の世界選手権では日本人が優勝



――日本では、まだ認知度が高くないバックギャモン。実際のところ、日本にはどのくらいの遊戯人口がいるのでしょうか?



「日本バックギャモン協会の会員数は400人くらいです。しかし、オンラインゲームの普及もあり、プレーしている人は増えているでしょう。毎年7月にモンテカルロで開催される世界選手権では、2009年、2011年と日本人が優勝しています。日本人はこれからもっと強くなると思います」



ブームの兆しのバックギャモン。今から始めれば、みんながやり始めるころには相当強いプレーヤーになれるかもしれません。バックギャモンを楽しめるネットゲーム、アプリ、およびイベントの情報はすべて日本バックギャモン協会のウェブサイトに載っているとのこと。皆さんも一度、遊んでみてはどうでしょうか?



取材協力



日本バックギャモン協会 林昌昭さん

http://www.backgammon.gr.jp/



(OFFICE-SANGA 臼村さおり)