台北市内の人気“日本式レストラン”に行った台湾人女性が、「日本料理に対して失礼だ」とがっかりした思いをブログに掲載。メニューや味、食材すべてに不満があったことをこぼした。(イメージ画像:Photo by Thinkstock/Getty Images.)※画像の無断ダウンロードと転用を禁じます。

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 台北市内の人気“日本式レストラン”に行った台湾人女性が、「日本料理に対して失礼だ」とがっかりした思いをブログに掲載。メニューや味、食材すべてに不満があったことをこぼした。

 台湾人女性のamy(ハンドルネーム)さんは期待しながら、その日本式レストランに出向いたという。なぜならその店は大繁盛していて、日本交流協会のすぐ隣にあり立地面でもバッチリ。「交流協会がそばにあるのだから、きっと美味しい日本料理を出してくれる」とamyさんは信じ、楽しみにしていたそうだ。

 「内装はいかにも日本料理屋という雰囲気で良かった。そしてランチが150台湾ドル(約390円)と、とにかく安い。その影響で店は混んでいたが……メニューを見てびっくり。タイ風のチキンフライがあったのだ!」と驚いたamyさん。ランチメニューをオーダーするのは止め、友人と一緒に刺身定食とちらし寿司を頼むことにしたという。

 そして出された料理を写真に撮り、ブログに張り付けて解説。「和風サラダという名前がついていたけれど、ちっとも和風じゃなかった。味噌汁は白菜入りで、おいしいとは言えないごはん。こんなの日本料理じゃない!」と怒りがこみ上げてきたようだ。

 続けて「刺身定食の刺身は、鮮度は悪くなかったが量が少なくて物足りない。付いていた煮物はソースが甘く、茶碗蒸しはよく食べる台湾風。こんな刺身定食なんて、見たこともない!」と述べ、ブチ切れた様子が伝わってくる。ちらし寿司も鮮度は良かったらしいが、「鮭の色が鮮やか過ぎて気持ち悪い」、「ちらし寿司にゆでダコの足が入っているなんて……」、「デザートの味は悪くなかったが、中華風の甘い汁だった」などなど、料理一品ずつに対して感想を述べている。

 食べ終わった後、「この店にたくさんの客が集まるのは、値段が安いから」と人気の理由がはっきりわかったというamyさん。「台湾にはこのような“日本式レストラン”がたくさんあるが、日本料理を出していると言わないでほしい。出された料理を見ると、“台湾風日本料理”という表現で十分。見かけだけ真似て味はまったく違う。安い価格で顧客を獲得することを悪くは言わないが、日本料理に失礼だと思う」と訴えている。本格的な日本料理店と日本式レストランでは、同じお金で量が2倍くらい違うと指摘し、「お米を始め、海老フライのパン粉の品質まで違うのである。量よりも食材の質を重視してこそ、日本料理」と書ききった。amyさんは、「台湾の日本式レストランの良いところは、量が多いところ。良い味付けの店もあるが、実際の日本料理の味とはかけ離れていることをわかってほしい」と強く訴え、ブログを締めくくっている。

 台湾は確かに、街の至るところに「日式料理」という看板が掲げられ、和食を扱うレストランが数多くある。デパートやショッピングモールのフードコートにも、必ずと言っていいほど日式料理の店を見かけるほどだ。丼物、ラーメン、オムライス、とんかつ、和定食など料理も様々でいろんなメニューが楽しめる。だがamyさんが述べているように、我々日本人から見ると首をかしげたくなるような盛り付けや味付けで、日本料理とは言えないという感覚になる。また日式ほど多くはないが香港式、韓国式、タイ式、アメリカ式など様々な国のレストランが立ち並んでいるのも台湾の現状。それぞれの国の人に、台湾で食べる自国をうたった料理の味をどう思うか、聞いてみたいものだ。(編集担当:饒波貴子・黄珮君)(イメージ画像:Photo by Thinkstock/Getty Images.)