23日のアゼルバイジャン戦で代表デビューをはたした宮市亮。本番ではスーパーサブとして期待されるが、スタメンの可能性は?

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いよいよ6月3日(日)、ブラジルW杯アジア最終予選の初戦、オマーン戦(埼玉)を迎えるザックジャパン。いったいどんな布陣で、序盤の3連戦を戦うのか。

中田英寿、中村俊輔ら欧州組を中心にメンバーを固定、一時は“最強”との呼び声さえあったものの、ドイツの地で散ったジーコジャパン。同じく固定したメンバーで予選を戦い、本大会直前に突如としてガラッと人を入れ替えたことが功を奏した岡田ジャパン。

過去2回のW杯は、同じ顔ぶれで4年間を戦うことの危険性を証明した。

一方、若さを売り物にスタートしたザックジャパンだったが、いつの間にかメンバーは固定されつつある。ケガ人がいなければ、スタメンは以下のようになる可能性が極めて高いのだ。

■基本フォーメーション[4-2-3-1]

GK 川島

DF 長友、今野、吉田、内田(左から。以下同)

ボランチ 遠藤、長谷部

MF 香川、本田、岡崎

FW 前田(李、ハーフナー・マイク)

「代表の中にヒエラルキーがあって、いつも同じメンバーでやることの弊害は計り知れません。競争がなくなるし、刺激もなくなる。いざというときのバックアップもいない。ジーコや岡田監督は『それによってチームが熟成されていく』と言ってましたが、熟成は老化の始まり。4年たてばみんな4歳年をとるんです」

と、指摘するのはサッカーライターの杉山茂樹氏だ。典型的な“ヒエラルキー”がボランチの遠藤と長谷部だという。

「このままブラジルW杯までいくなら、彼らは7年間も一緒にやることになりますが、常識ではあり得ない。いろいろ試した結果、“やっぱりこのふたりだよね”ならいいんです。それしかやってないことが問題です。本番直前にどちらかがケガをしたらどうするつもりでしょう」(杉山氏)

同じような顔が並んでも、それがその時点での最高のメンバーならまだ納得できるというもの。だが、それ以上を期待できるような候補者がいるポジションもある。

「長友、内田がレギュラーで控えは駒野、で決まっているサイドバックには、ほかにも試したい候補者がいます。内田は所属のシャルケでなかなか試合に出られず、代表に呼ばれても明らかにフィットしていないときがありました。シーズン終盤はポジションを取り返しましたが、現時点でのドイツでの評価でいえばシュトゥットガルトの酒井高徳のほうが高い。ほかのポジションにも、若い世代には宮市など楽しみな選手がいます。少し冒険してでも新戦力を発掘していくことが必要です」(杉山氏)

目先の勝利も大切だが、2014年、ブラジルのピッチに立つイレブンを想定したメンバー選考ができるか。最終予選の見どころでもある。

(写真/益田佑一)

■週刊プレイボーイ24号「ブラジルW杯出場に死角あり!?」より