日本の自殺者は14年連続で3万人以上、世界一の自殺大国といわれてきたが、2009年のデータでは韓国が10万人あたり28.4人でOECD(経済協力開発機構)加盟国で最も高くなった(日本は25.8人)。韓国と日本の自殺を比較すると、まったく別の傾向も確認できる。
 
 日本では中年世代(30代〜50代)の自殺率が最も高い。一方、韓国は50代までの自殺率はそれほど高くないものの、60代から急激に増加する。
 
 自殺予防総合対策センターの竹島正・所長がいう。
 
「現在の日本では、年金、保険、医療費など老人に社会保障が設けられている。これは韓国よりも手厚いもので、その差が出ているのかもしれない。しかし、日本のほうが中年の自殺率が高いということは、高齢者の社会保障のしわ寄せが、若い世代の負担になっていることを示しているのではないか」
 
 また、韓国では20代女性に自殺者が多いことも特徴だ。韓国人ジャーナリストがいう。
 
「2009年に“性上納”を強要されたといって自殺した有名女優のチャン・ジャヨンの例が象徴ですが、韓国ではいまだに根強い性差別があり、女性が独立して生きていく社会環境がまだできていない。レイプ被害者が逆に“ふしだらな女”“汚れた女”と差別されることさえある。また、韓国ではまだメンタルクリニックに通うことがタブー視される。そのためうつ病などの専門治療を受ける人が少なく、それが自殺者数を押し上げている要因だろう」

※週刊ポスト2012年4月13日号