今シーズンからJ2の入れ替え戦が条件つきで始まる。前回のコラムでいずれはという書き方をしたが、それから2週間ほどの1月17日にその詳細が発表された。(詳細はこちらを参照)

 22チームというJ2の定数がいっぱいになったので、そうした処置がとられるようになったということである。ところで、JFLとJ2という関係もいずれ、JFLの構成チームがすべてJを目指し、かつJの認定するクラブの基準を満たしているとなったら、J3へ改変することになるのだろうか。現在その条件を満たしているのは、カマタマーレ讃岐とV・ファーレン長崎の2クラブだけだが、半分ほど基準を満たしたクラブが占めたらそうすればいいと勝手に思う。なにしろ、これからはJ2から降格するクラブが生まれるのだから。前回にも書いたが、J2からJFLへの降格となると、現状では経営的にもかなり厳しくなるのは目に見えている。

 日本の現状を考えたら、すべてがプロで成り立つかといったら、かなり怪しいので、JFLのようにプロとアマチュア混在するプロリーグがあってもいいと思うが、降格という事態を引き受けるためには、リーグ名はJ3という言い方をした方がよいと思う。というのも降格クラブには経営的な問題が起きやすくなるし、一方のプロを目指しているクラブにとっては、Jリーグというのは大きな意味があるからだ。Jはクラブに厳しい規範を求めているし、それに満たない場合は、2010年の町田ゼルビアのように、Jに上がらせないという厳しい処置をとったように、プロとしてのガイドラインをしっかりと設定しているので、Jと称されるリーグに所属することは、プロのクラブとして認定されたということになるからだ。そこに、上記のような降格クラブも出てくるのだから、J3というカテゴリーは今まで以上に意味があるし、早急に対応を考えるべきだろう。

 さらにいえば、将来的には、日本のサッカー界にとって様々な意味をもつことになる各都道府県に一つのプロのクラブを実現すべきだと願う立場なので、その受け皿としてはJという呼称が必要不可欠だからだ。単純計算で申し訳ないが、J3が20クラブほどで構成されたら、数としては47都道府県に各1以上存在することにもなる。具体的にはJ1、J2での基準の違いがあるように、J3での存在を認めるルールを作ればいいのだ。アマチュアも共存するのだから、J2以上の緩やかさでいいと思う。J2に上がれる実力を備えたら、それとともにクラブのスケールもJ2並みにすればよいのだから、Jの基本の「身の丈の経営」にもあっていると思う。J3はいわば経営的にもトレーニングの場だと考えればよいのだ。

 実際のところ、どうなのかその辺りを知りたくて、JFLのHPにアクセスしたが、未だに登録クラブは18(1月29日現在)で、松本山雅も町田ゼルビアもまだJFLのクラブだった。今シーズンは17クラブですよというのは、ニュースでしかなった。人員が足りないので、そこまで手が回らないのは想像できるので、別に文句はいう気はないが、欲しい情報はそこになかった。だが、そこに面白いものを見つけた。
『日本トップリーグ連携機構』(JTL)という名前の組織なので、JFLとJリーグの連携組織なのかと思って、クリックしたら、出てきたのは9競技11リーグの連携組織だった。バスケット、アイスホッケーとホッケー、ハンドボール、バレーボール、ラグビー、ソフトボール、アメリカンフットボールとサッカーの9競技なのだが、どういうわけか、サッカーはなでしこリーグとフットサルのFリーグだけで、JもJFLも参加していない。明らかに、サッカーの成功を機に05年に結成された団体にも関わらず、プロ野球機構とJは不在なのだ。
 プロ野球は歴史的なちがいあがるので、参加しないのは理解できるが、Jがいないのは、いささか違和感があった。
 この機構のあり方を読むと、Jは、他のリーグのお手本だと自覚しているようには思える。だからこそ、JFLの今後とJ3は切っても切れないことなのだから、早くヴィジョンをみせてほしいものだ。何故なら、J3のようなリーグが健全化すれば、ここに所属する他のリーグもさらに学ぶことが増えるのは間違いないからだ。

【刈部謙一】