北海道日本ハムファイターズの寮ごはん /宝島社
選手の好きなメニューアンケート、など純粋なハム好き(食べる方じゃなくファイターズの方)にもお楽しみいただける一冊だ。

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生まれ変われるならばダルビッシュ有になりたい。

野球選手なのに所属事務所はエイベックス。史上最年少での年俸5億円。投げては150km・14種類の球種をあやつるチート設定。そして男から見てもホレボレする肉体美! あ、あとあのイケメンっぷりね。
先日紹介した川藤幸三のビジネス本の中でも文句無しに球界のエースに指名されていたダルビッシュ。そんな憧れの存在に少しでも近づくべく、日々ダルビッシュ師匠のツイートチェックに余念のない私ですが、読んでいて感じるのは「食」に関しての記述の多さだ。


最近、各球団色んな選手の方からサプリメントの摂り方やトレーニングの事を聞かれるようになりました。練習、トレーニング、サプリメンテーション、食事。どれか1つを頑張っても意味ないけど興味を持って貰えるのは嬉しいですね(^^) 興味は成長への第一歩。(8月23日)


昨日は上半身みっちり、今日は下半身みっちりトレーニングしました。その後は食べるのに必死。18:00前に食べ、19:30からも食べ、この後23:00からも食べる予定。食べるのが一番大変かも。(8月14日)


トレーニングだけでなく、食べることからの真摯な肉体づくりにはただただ感服するばかりだ。
シーズン前に離婚騒動が持ち上がったとき、その原因の一端が「奥さんの食事に納得がいかないから」にあり結婚後もダルビッシュは寮での食事が多かった、という報道がされていた。女房を差し置いてダルビッシュの胃袋をつかんだ寮ごはん、恐るべしである。

というわけで、今回紹介したいのは北海道日本ハムファイターズを栄養面から支える専属の管理栄養士さんが監修したレシピ本『北海道日本ハムファイターズの寮ごはん』だ。プロ野球チームといってもひとつの企業体なわけだから、ベストセラーとなった『体脂肪計タニタの社員食堂』に連なる「社員食堂レシピ本」と位置づけることもできるだろう。
だが、体育会系がっつりメニューとか肉食系向けのこってりメニューなんかが多く紹介されているのかと思いきや、とてもバランスの取れたメニューばかりなことが意外だった。プロ野球選手の食事と聞くと「焼肉、焼肉、寿司、すき焼き」というステレオタイプなイメージを抱きがちだが、実際には管理栄養士さんがキャンプや遠征先のホテルにも同行し、季節やチーム状況などを考慮して選手の栄養指導を行っているという。

<プロ野球選手にとって年間144試合戦い抜くことは、心身に大きな負担がかかることです。だからこそ、休養とともに食事による速やかな心身の疲労回復が求められます。これは選手だけでなく、仕事で疲れたお父さんや毎日の家事に追われているお母さん、スポーツで体を動かしたあとのお子さんなどにも言えることでしょう。>

実際このレシピ本では、よく見る「カロリー表示」だけでなく、「主に取れる栄養素は何か」(ビタミンCとか、カルシウムとか、食物繊維とか)が表示されていたり、「骨を作るレシピ」「疲労回復に効くレシピ」などカラダへの目的別に編集されていて、育ち盛りのお子さんを持つ方にこそちょうどいいレシピ本と言えるだろう。
でも、ひととおりレシピをチェックして気づいてしまった不満がある。日本ハムファイターズの本なのに“ハムを使ったレシピ”少なすぎじゃね? ということ。実際、ハム好き(ファイターズの方じゃなく食べられる方)な人間としてはそこは当然期待して購入したし、いい宣伝にもなって親会社も喜んでくれたと思うんですけどねぇ。
逆に考えると、他の11球団にとってはここにビジンスチャンスがあるのかも。こちらも最近話題の『カルピス社員のとっておきレシピ』の成功にならって、もっと自社製品を積極的に活用したレシピ本を作ってみるのはどうだろうか。例えば『ヤクルトスワローズのミルミルからだが強くなるレシピ』とか、『伊東四朗絶賛!あんたがったタフマン飯』みたいなスタミナ系満載レシピ本とか……だめだ、スワローズでしか浮かばないや。(オグマナオト)