立って良し、寝て良し、倒して良しと完成度の高い上田将勝。プロ修斗戦績は13勝1敗、勝利には佐藤ルミナ、田村彰敏、ドゥドゥ・ダンテス、山本篤、岡崎康悦らが含まれており、水垣偉弥とは引き分けている

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14日(水・現地時間)にブラジルはアマゾナス州マナウスのアレナ・アマドゥ・テイシェイラで行われるAmazon Forest Combat。大河アマゾンに二大源流ネグロ河岸の大都市マナウスは、リオやサンパウロの人々ですら、余りの暑さに体調を崩すといわれる猛暑の街。そんなジャングルのど真ん中で、ホイラー・グレイシーがMMA引退試合を日本の上田勝将と戦う。

ホイラーがリオに住んでいた当時、指導していたグレイシー・ウマイタ系の柔術家には、サウロ&シャンジのヒベイロ兄弟、フレジソン・アウベスなどマナウス縁のファイターも多く、またマナウスという街からはジャカレ・ソウザ、ビビアーノ・フェルナンデス、フレジソン・パイシャオンなど、柔術+MMAの両方で活躍する選手を数多く輩出している。

当然、現地はホイラーを応援する声で一色になるだろうが、超朴訥系の上田は、現地の観客の存在をどのように感じるのだろうか。元プロ修斗世界フェザー級(※60キロ)王者で、アマチュアを通じてMMAでの敗北は1試合のみ。高校から国士舘大学で養ったレスリングに絶対的な強さを持つ一方で、中井祐樹の指導の下グラップリングも熟知し、ランバー・ソムデートM16の下にも通うようになって6年、打撃も長足の進歩を見せている。

日本総合格闘技界の老舗・修斗にあって、最も完成度の高いファイターといわれる上田は、そのプロ修斗以外での活動は念頭になかったが、この9月に職を離れ、世界へ挑む意思を明らかにした。目標はUFCだが、バンタム級に日本人の空席はなく、時が訪れるのを待つまでに、このホイラー戦、米国よりも過酷なブラジルでのファイトに応じることになった。

当初のオファーは65キロ、それが70キロに変更されてなお、上田は「UFCに行った時、70キロまで戻すファイターと戦うこともある」と、打撃に怖さのないホイラーとの対戦を来るべき日に向けてのステップと考えている。

ホニ・トーレス×ドリュー・フィケット、カロ・パリジャン、マイケル・ファルカォン、ジョシュ・バークマンらUFCベテランに加え、ドミニク・クルーズの同門ダニー・マルチネスらコア・ファンには楽しみな顔ぶれが揃った同大会、日本からは石井慧も参戦し、セミでパウロ・フィリョと対戦する。
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