アメリカ最大手の携帯通信事業者、ベライゾンワイヤレス(以下、ベライゾン)が、スマートフォン向けの定額制データ通信プランを廃止し、従量課金制に移行したことが大きな波紋を呼んでいる。

 ベライゾンはこれまで月額30ドルでデータ通信し放題のプランを提供してきた。テキストメッセージもメールもウェブも音楽もビデオも使いたい放題。そのおかげで、利用者は、いつでもどこでも情報が手に入るスマートフォンならではのうま味をとことん味わってきたわけだ。

 当然、今回のベライゾンの決定は、スマートフォンのユーザーに衝撃を与えている。何と言っても同社は31%の市場シェアを占める米国ナンバーワンの携帯通信事業者。ユーザーの好感度調査でも常にダントツの高得点を上げてきた。しかも、アップルがAT&Tに次いで第二のキャリアとしてiPhoneを任せた通信会社でもある。

 7月7日付けで新しい加入者向けに提供され始めたプランは、2GBまでは月額30ドル、5GBまでは50ドル、10GBまでは80ドルで、それぞれ10GBを超えるごとにさらに10ドルが加算される仕組みとなっている。

 競合のAT&Tはすでに従量課金制に移行しており、200MBで月額15ドル、2GBで25ドル、4GBで45ドルだ。Tモバイルも同様に、200MBで25ドル、2GBで40ドル、5GBで50ドル、さらに10GBのヘビー級の85ドルも設定している。一方、スプリントは、まだ定額制にとどまっている。

 ベライゾンでは、ほとんどのユーザーは2GB以下の利用にとどまっており、従量課金制に移行しても影響を受けるのは5%(のヘビーユーザー)に過ぎないと強調している。だが、要注意なのは、これは「今のところ」という意味であることだ。

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