良い話題がないのだ。近頃のMLB日本人選手は。松坂は難しい顔をして日本に一時帰国してしまうし、岡島は浪人の身。五十嵐はマイナー落ち。松井も交流戦は代打要員。福留は春の魔法が解けてしまうし、イチローだって3割を割っている。
テキサス・レンジャーズ=TEX建山のMLB昇格は数少ない良い知らせだった。
マイナーではよく頑張っていた。



5月14日に2失点したが、14回登板して10回零封。WHIP0.93は素晴らしい成績だ。
投手陣が野戦病院状態のTEXは、昨日建山をMLBに呼び寄せ、早速CWS戦の7回にマウンドに上げた。がらがらのスタンドだったが、建山にしてみれば待ちに待ったMLBのマウンドだ。



5対6で負けているが緊迫したシーン。2番アレクセイ・ラミレスから始まる上位打線と対戦した。球速は90マイルに届かない。NPBではこれくらいの球速の投手は珍しくないが、MLBの救援投手としてはかなり遅い。しかしサイドからの建山の速球は、すべて変化している。タイミングが取りにくそうだ。MLB打者にはOAKのブラッド・ジーグラーをうんと遅くしたような感じに映ったのではないか。

何より素晴らしかったのは、勝負が早かったこと。NPBの選手のように2ストライクから1球遊ぶようなことはせず、どんどん攻めていった。カルロス・クエンティンの三球三振は速球を2球見せておいて、さらに遅いカーブ。打者のはやる気持ちを見抜いた見事な投球だった。しかし、コネルコには「こんな球はこう打つんだ!」と言わんばかりの流し打ちでライトに運ばれた。

次打者アダム・ダンは左打者のため、ここで交代。後続のベテラン、アーサー・ローズが打ち込まれてコネルコが帰ってきたため自責点1がついた。
ボールをとことんまで見切るアダム・ダンは恐ろしい打者ではあるが、どうせ自責点がつくのなら勝負させてほしかった。
恐らく右打者のワンポイントとして起用され、使い勝手を試されることになるだろう。四球を出さなければ、良い仕事ができるのではないだろうか。